塾長コラム
受験勉強は孤独であっても孤立してはいけない|塾長コラム136 公開させて頂きました。
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各歯科大学生のみなさん、こんにちは、弘中塾の弘中崇です。
本日は
受験勉強は孤独であっても孤立してはいけない
|塾長コラム136 【現役生】【浪人(既卒)生】に分けてコラムを書きました。
どうぞ最後迄宜しくお願い致します。
歯学部で学ぶみなさんは日々様々な試験に向き合っています。
定期・進級試験・CBT・臨床実習・卒業(学士)試験、そして歯科医師国家試験です。学年が上がるにつれて求められる知識は増え各試験の意味も変わっていきます。目の前の試験を乗り越えたと思ったら直ぐに次の試験が待っています。
そのような日々のなかでみなさんは時に孤独を感じることがあるのではないでしょうか。友人たちは順調に勉強しているように見える。自分だけが理解できていないように感じる。試験が近づいているのに思うように成績が上がらない。周囲に相談したいけれど弱いところを見せたくない。心配をかけたくないので家族にも本当のことを話せない。
そして誰にも相談できないまま自分一人で何とかしようと考えてしまいます。僕は受験勉強には孤独な時間が必要だと思っています。自分で教科書を読み問題を解き間違いを振り返り理解できていないところを一つずつ克服していく。その時間は誰かに代わってもらうことができません。しかしここで一つみなさんに伝えたいことがあります。
受験勉強は孤独であっても孤立してはいけません。
1人で勉強することと1人で苦しみを抱え込むことは全く違うからです。
友人が高得点を取ったと聞けば焦ります。自分より勉強していないように見える学生が進級できれば納得できない気持ちになるかもしれません。反対に自分より成績の悪かった学生が努力して成績を伸ばしていく姿を見れば自分だけが取り残されたように感じることもあるでしょう。
しかし他人の状況を気にしすぎると本来考えなければならないことが見えなくなります。それは自分には何が足りず今から何をすべきなのかということです。
友人の成績が上がった理由と自分の成績が上がらない理由は必ずしも同じではありません。勉強時間が足りないのか基礎知識が不十分なのか問題演習の方法が適切でないのか。それとも理解したつもりになっていて実際には自分で説明できないのか。
原因を見つけなければ勉強時間を増やしても結果につながらないことがあります。周囲と比較して落ち込む時間を自分の現状を分析する時間に変えてください。他人の進み具合を知ることが参考になる場合はあります。しかし他人の成績を見て自分の価値まで決める必要はありません。みなさんが向き合うべきなのは友人の成績ではなく自分自身の課題です。
やがて問題を解いても正解できない。勉強しているのに点数が上がらない。何から手をつければよいのか分からない。そして自分には能力がないのではないかと考えるようになります。しかし本当に必要なのは自分を責めることではありません。
分からないところを明らかにし理解できるところまで戻ることです。基礎が理解できていなければ基礎に戻ればよいのです。問題の解説を読んでも分からなければ教科書を開いて確認すればよいのです。何度も間違えるのであればなぜ間違えるのかを一緒に考えてくれる人に相談すればよいのです。
質問することは自分の弱さを認めることではありません。自分の課題を正確に把握し改善するための行動です。歯科医師国家試験に向けた勉強では知識を暗記するだけでなく基礎と臨床を繋げ理解を深めていく必要があります。その過程では誰にでも分からないことが出てきます。大切なのは分からないことがあるかどうかではなく分からないまま放置していないかどうかです。
「進級できなかったらどうしよう」
「このままでは卒業できないかもしれない」
「歯科医師国家試験に合格できる気がしない」
こうした気持ちを抱えていても周囲に心配をかけたくないため何事もないように振る舞います。けれども表面上は普段どおりに見えても心のなかでは大きな不安を抱えていることがあります。不安があること自体は決して悪いことではありません。自分の将来を真剣に考えているからこそ不安になるのです。
問題は不安を抱えたまま何も行動できなくなってしまうことです。不安を感じたらまずその内容を具体的にしてみてください。進級が不安なのであればどの科目のどの範囲が問題なのか。卒業(学士)試験が不安なのであれば現在の成績と合格基準との間にどの程度の差があるのか。歯科医師国家試験が不安なのであれば基礎知識が不足しているのか臨床問題への対応が難しいのか。
漠然と「全部が不安」と考えていると解決策は見つかりません。しかし問題を具体的に分けることができれば取り組むべき課題が見えてきます。そして自分一人で整理できない場合には教員や講師に家族など信頼できる人に相談してください。相談することは誰かに解決を丸投げすることではありません。自分の状況を共有し次に何をすべきかを一緒に考えることです。
早い段階で相談できれば選べる対策も増えます。限界まで我慢してからでは取り得る方法が少なくなってしまうこともあります。
5年生では臨床実習を通して学ぶ内容とこれまでに身につけた基礎知識を結びつけていくことが大切です。6年生になってから一から準備を始めるのではなく早い段階から卒業(学士)・歯科医師国家試験を意識しておく必要があります。
6年生では卒業(学士)試験と歯科医師国家試験という大きな目標が迫ってきます。周囲の学生も緊張し模擬試験の結果に一喜一憂する時期です。どの学年であっても勉強そのものは自分で進めなければなりません。しかし計画が現実的かどうか勉強の方法が適切かどうか理解できていないところをどのように補うかについては第三者の視点が役立つことがあります。
「自分で何とかしなければならない」と考えるあまり必要な助言まで遠ざけないでください。自分で努力することと人の力を借りることは決して矛盾しません。
もちろん何もかもを一度に話す必要はありません。それでも困っていることやこれから取り組もうとしていることを少しずつ共有できれば、家族も支え方を考えやすくなります。また大学の教員に相談することをためらう学生もいます。相談したことで評価が悪くなるのではないか努力不足を指摘されるのではないかと心配することもあるでしょう。
しかし進級や卒業に関する問題は放置しても自然に解決するとは限りません。自分の状況を整理し必要な情報や助言を得ることは学生として大切な行動です。ただし相談すれば必ず希望どおりの結果になるわけではありません。必要な努力をするのは自分自身です。それでも自分の状況を正確に知り改善に向けて行動するために周囲とのつながりを活用してください。
勉強時間が不足しているのであれば学習時間の確保が必要です。基礎が理解できていないのであれば教科書に戻る必要があります。問題を解くことばかりに偏っているのであれば知識の整理や理解の確認が必要です。時にはこれまでの勉強方法を変えなければならないこともあります。本人にとって耳の痛い話をしなければならない場合もあります。
それでも本人の現状を一緒に確認し必要な課題を明らかにしていくことが次の一歩につながると考えていますただし、誰かが支えてくれるからといって本人が勉強しなくてもよいわけではありません。講師が代わりに試験を受けることはできませんし成績や合格を保証することもできません。最終的に勉強するのは学生本人です。だからこそ、自分で努力する時間と周囲の力を借りる時間の両方を大切にしてほしいのです。
しかし自分自身と向き合い少しずつできることを増やしていく時間でもあります。一方で苦しいときに誰にも助けを求められず自分の価値まで否定するようになってしまったらその孤独は勉強を前に進める力を失わせてしまいます。みなさんに覚えておいてほしいのは助けを求めることは努力を放棄することでは決してないということです。
自分で考える。自分で勉強する。自分の責任で行動する。そのうえで分からないことがあれば質問する。不安があれば相談する。必要であれば、勉強の方法を見直すために誰かの力を借りる。それでよいのです。
受験勉強は確かに孤独な営みです。しかしみなさんが将来の歯科医師として患者さんと向き合う時にも一人ですべてを抱え込む必要はありません。分からないことを確認し必要なときに周囲と協力しよりよい判断を目指す姿勢は医療に携わるうえでとても大切です。
一人で机に向かう時間を大切にしてください。そして一人で抱え込まないでください。分からないことを質問する。自分の課題を誰かに話す。勉強方法を見直す。必要な助言を受け入れる。そうした行動は決して恥ずかしいことではありません。受験勉強は孤独であっても、孤立してはいけません。
自分の力で進むためにこそ周囲とのつながりを大切にしてください。
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朝起きて勉強を始める。教科書を読み問題を解く。間違えたところを復習し模擬試験の結果を確認する。明日も同じように勉強する。毎日の生活は周囲から見れば大きく変わらないかもしれません。しかし自分の心のなかではさまざまな思いが交錯していることがあります。
「今年こそ合格したい」
「また不合格になったらどうしよう」
「家族にこれ以上心配をかけたくない」
「友人はすでに歯科医師として働いているのに、自分は何をしているのだろう」
「もう一度挑戦することに、本当に意味があるのだろうか」
そうした思いを抱えながらも誰にも相談できず勉強を続けている方がいると思います。既卒生の受験生活には現役生とは違う難しさがあります。大学という場所から離れ勉強の進み具合を確認してくれる人も日々の努力を共有する仲間も少なくなるからです。しかし僕は既卒生のみなさんにこそ伝えたいことがあります。
受験勉強は孤独であっても孤立してはいけません。
自分で勉強することは必要です。しかしすべての不安や悩みを一人で抱え込む必要はありません。
その多くを自分で判断しなければなりません。自由に使える時間が増える一方で生活のリズムが崩れたり勉強の進み具合が分からなくなったりすることもあります。勉強しているつもりでも同じところを繰り返しているだけかもしれません。更に既卒生には昨年度の試験結果という現実があります。
自分なりに努力したのに合格できなかった。もう少し勉強していればよかったと思う。あるいは何が足りなかったのかさえはっきり分からない。その経験があるからこそ今年の勉強に慎重になることもあります。反対に昨年の失敗を思い出したくないために結果を振り返ることを避けてしまう場合もあります。しかしもう一度受験するのであれば昨年度の結果を正面から見つめる必要があります。
それは自分を責めるためではありません。同じ失敗を繰り返さないためです。
昨年と同じ時間に同じ教材や同じ方法で勉強を続ければ今年は必ず合格できるのでしょうか。残念ながらそうとは限りません。昨年の勉強で不足していたのが学習時間だったのかもしれません。あるいは勉強時間は確保していたものの教科書の内容を十分に理解できていなかったのかもしれません。過去問題の答えは覚えていても少し形を変えた問題になると対応できなかった可能性もあります。
知識を覚えることと知識を理解して使えるようになることは同じではありません。間違えた問題の答えだけを覚えてもその問題の背景にある病態や診断や治療の考え方を理解していなければ別の問題に応用することは難しくなります。だからこそ昨年度の勉強を振り返るときには、単に「勉強時間が足りなかった」と結論づけないでください。
何を理解できていなかったのか。どの科目を後回しにしていたのか。問題を解いた後に教科書へ戻って確認していたのか。全国模擬試験で間違えた内容をその後の勉強に反映できていたのか。こうした点を具体的に確認することが必要です。振り返りは過去を悔やむための作業ではありません。今年の勉強を変えるための作業です。
「これだけ勉強してきたのに、まだ分かっていないのか」
「今さら基礎に戻るのは恥ずかしい」
「同じ問題を間違える自分には、もう無理なのではないか」
そのように感じてしまうこともあるでしょう。しかし基礎に戻ることはこれまでの努力を否定することではありません。むしろこれまでの勉強で何が身についていて何が十分ではなかったのかを確認することです。歯科医師国家試験では幅広い領域の知識が求められます。教科書に書かれている内容を理解し基礎と臨床をつなぎ問題の条件に応じて知識を使えるようにすることが大切です。
過去問題を繰り返し解くことは必要です。しかし答えを覚えることだけに偏ってしまうと出題のされ方が変わったときに対応できないことがあります。問題を間違えたら正解を確認するだけで終わらせないでください。なぜその答えになるのかほかの選択肢はなぜ違うのかその知識は教科書のどこに位置づけられるのかを確認してください。
時間がかかることもあるでしょう。しかしその積み重ねが知識を確かなものにしていきます。自分の弱点を認めることは敗北ではありません。弱点を見つけたからこそそこから改善を始めることができるのです。
そして相談できる相手がいないと同じ判断を繰り返してしまうことがあります。成績が伸びないから教材を増やす。しかし教材が増えたことで復習が追いつかなくなる。焦ってさらに問題を解くものの間違えた理由を十分に確認できない。その結果として勉強時間は長くなっているのに知識が殆ど定着しない。このような悪循環に陥ってしまうこともあります。だからこそ時には第三者の視点が必要です。
自分の勉強方法を説明してみる。模擬試験の結果を見ながら苦手分野を整理してみる。現在の勉強計画が現実的かどうかを確認してみる。
誰かに相談したからといって必ず正しい答えが得られるわけではありません。しかし自分では気づかなかった問題点を発見できることがあります。大切なのは誰かに判断を委ねてしまうことではなく自分の判断を検証する機会を持つことです。自分で考えることと第三者の意見を聞くことは両立します。
「いつまで心配をかけるのだろう」
「これ以上、経済的な負担をかけられない」
「今年こそ結果を出さなければならない」
こうした思いが勉強の原動力になることもあります。しかし申し訳なさだけで自分を追い込んでしまうと勉強そのものが苦しくなり冷静に自分の状況を判断できなくなることがあります。家族への感謝は大切です。しかし感謝を示す方法は自分を責め続けることだけではありません。現在の勉強状況を整理すること。何が課題なのかを把握すること。どのように改善するつもりなのかを伝えること。そして決めたことを実行していくこと。
そうした行動も家族に対して誠実に向き合う方法だと思います。もちろん家族との話し合いが簡単ではない場合もあるでしょう。受験を続けるかどうかについて意見が食い違うこともあると思います。そのようなときこそ感情だけで結論を出さず現在の学力にこれまでの経過や今後の勉強計画と生活面の条件などを整理して考えてください。
一人で結論を出すことが難しければ信頼できる第三者に相談することも選択肢の一つです。
歯科医師になりたいからでしょうか。これまでの努力を無駄にしたくないからでしょうか。家族に申し訳ないからでしょうか。それとも他の進路を考えることが怖いからでしょうか。その答えは人によって違うと思います。簡単に整理できない場合もあるでしょう。僕はどのような思いを抱えているかだけで誰かを責めるつもりはありません。ただ受験生活を続けるのであれば自分が何を目指しているのかをできるだけ正直に考えてほしいと思います。
目標が明確になれば、必要な行動も考えやすくなります。歯科医師になることを本当に目指しているのであればその目標に向けてこれまでの勉強方法を変える必要があるかもしれません。苦手科目から逃げないこと教科書に戻ることと模擬試験の結果を分析することや生活のリズムを整えることなど具体的な行動が必要になります。
一方で自分の気持ちが分からなくなっているのであればそのこと自体を放置しないでください。勉強を続けるかどうかを含め今後の選択肢を整理することも大切です。大切なのは周囲に流されて受験を続けることでも苦しさに耐えること自体を目的にすることでもありません。自分の意思で目標を確認し、その目標に必要な行動を選び取ることです。「もう一回」という言葉に意味を持たせるためには去年と同じ一年を繰り返さないことが必要です。
全国模擬試験を受けたら結果を見て一喜一憂するだけではなく間違えた内容を整理する。一定期間ごとに勉強計画を見直す。自分では解決できない疑問があれば質問できる相手を探す。必要であれば歯科医師国家試験対策を理解している講師などに相談し現在の学習状況を客観的に確認することも一つの方法です。
ただし誰かに相談すれば合格できるというものではありません。講師が勉強を代わりに進めてくれるわけでも合格を保証してくれるわけでもありません。相談を通じて課題を明らかにしその課題に取り組むのは受験生本人です。それでも進む方向を確認できることには意味があります。一人で努力するために、相談できる場所を持っておく。それは、既卒生にとって大切な受験環境の一つだと私は考えています。
不合格という結果は試験に合格できなかったという事実です。そこから何が足りなかったのかや何を変える必要があるのかを考えることは必要です。しかしその結果だけで自分には何の価値もないと結論づける必要はありません。思うように勉強が進まない日もあるでしょう。計画を変更しなければならないこともあるでしょう。模擬試験で厳しい結果を突きつけられることもあると思います。
そのときは必要な反省をした上で次の行動に移って欲しいです。自分を責め続けても知識が増えるわけではありません。昨日の失敗を振り返り今日やるべきことを決め実行していく。その積み重ねが次の結果につながっていきます。そしてどうしても気持ちが整理できないときには一人で抱え込まず信頼できる人に話してください。受験生活を続ける上で自分の心身を大切にすることも勉強を続けるために必要なことです。
そして今年もう一度受験する意味を自分自身に問い直して欲しいです。受験勉強は自分で取り組まなければならないものです。誰かに代わってもらうことはできません。しかし自分で取り組むことと全てを一人で抱え込むことは違います。
受験勉強は孤独であっても、孤立してはいけません。
孤独な時間のなかで自分自身と向き合いながらも必要なときには人の力を借りてください。自分の課題を言葉にし助言を受けもう一度自分の進む方向を確かめてください。今年の受験を昨年と同じ一年にしないために。そして歯科医師になるという目標に向かうのかあるいはこれからの人生をどのように歩むのかを自分自身で納得して考えるために。
一人で努力することを大切にしながら一人で苦しみを抱え込まないでください。
弘中塾 塾長弘中崇
歯科医師国家試験、歯科国試合格、歯科大学卒業・進級・留年、卒国試過去問、オンライン、CBT、歯科国試直前講習等をテーマに今後もコラム・よくある質問を公開させて頂く予定です。
モバイル弘中塾
講義コース
政策委員長談話「需給問題が歯科医師の質低下に」/機関紙2017年6月1日号(№567)2面掲載
厚労省歯科医師国家試験関連サイト
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各歯科大学生のみなさん、こんにちは、弘中塾の弘中崇です。
本日は
受験勉強は孤独であっても孤立してはいけない
|塾長コラム136 【現役生】【浪人(既卒)生】に分けてコラムを書きました。
どうぞ最後迄宜しくお願い致します。
受験勉強は孤独であっても孤立してはいけない【現役生編】
―1人で勉強することと1人で苦しむことは違います
歯学部で学ぶみなさんは日々様々な試験に向き合っています。
定期・進級試験・CBT・臨床実習・卒業(学士)試験、そして歯科医師国家試験です。学年が上がるにつれて求められる知識は増え各試験の意味も変わっていきます。目の前の試験を乗り越えたと思ったら直ぐに次の試験が待っています。
そのような日々のなかでみなさんは時に孤独を感じることがあるのではないでしょうか。友人たちは順調に勉強しているように見える。自分だけが理解できていないように感じる。試験が近づいているのに思うように成績が上がらない。周囲に相談したいけれど弱いところを見せたくない。心配をかけたくないので家族にも本当のことを話せない。
そして誰にも相談できないまま自分一人で何とかしようと考えてしまいます。僕は受験勉強には孤独な時間が必要だと思っています。自分で教科書を読み問題を解き間違いを振り返り理解できていないところを一つずつ克服していく。その時間は誰かに代わってもらうことができません。しかしここで一つみなさんに伝えたいことがあります。
受験勉強は孤独であっても孤立してはいけません。
1人で勉強することと1人で苦しみを抱え込むことは全く違うからです。
1.周囲と比べるほど自分の現在地が見えなくなります
歯学部では同じ学年の学生が同じ試験を受けます。そのためどうしても周囲の成績や勉強の進み具合が気になります。友人が高得点を取ったと聞けば焦ります。自分より勉強していないように見える学生が進級できれば納得できない気持ちになるかもしれません。反対に自分より成績の悪かった学生が努力して成績を伸ばしていく姿を見れば自分だけが取り残されたように感じることもあるでしょう。
しかし他人の状況を気にしすぎると本来考えなければならないことが見えなくなります。それは自分には何が足りず今から何をすべきなのかということです。
友人の成績が上がった理由と自分の成績が上がらない理由は必ずしも同じではありません。勉強時間が足りないのか基礎知識が不十分なのか問題演習の方法が適切でないのか。それとも理解したつもりになっていて実際には自分で説明できないのか。
原因を見つけなければ勉強時間を増やしても結果につながらないことがあります。周囲と比較して落ち込む時間を自分の現状を分析する時間に変えてください。他人の進み具合を知ることが参考になる場合はあります。しかし他人の成績を見て自分の価値まで決める必要はありません。みなさんが向き合うべきなのは友人の成績ではなく自分自身の課題です。
2.「分からない」と言えることは弱さでは全くありません
僕は成績が伸び悩んでいる学生に対してもっと早く相談してくれればよかったと思うことがあります。本人は分からないところがあることを自覚しています。しかし「今さらこんなことを聞けない」「こんな問題も分からないと思われたくない」と考え質問を躊躇ってしまいます。その結果分からない部分を残したまま次の範囲に進み知識の不足が少しずつ積み重なっていきます。やがて問題を解いても正解できない。勉強しているのに点数が上がらない。何から手をつければよいのか分からない。そして自分には能力がないのではないかと考えるようになります。しかし本当に必要なのは自分を責めることではありません。
分からないところを明らかにし理解できるところまで戻ることです。基礎が理解できていなければ基礎に戻ればよいのです。問題の解説を読んでも分からなければ教科書を開いて確認すればよいのです。何度も間違えるのであればなぜ間違えるのかを一緒に考えてくれる人に相談すればよいのです。
質問することは自分の弱さを認めることではありません。自分の課題を正確に把握し改善するための行動です。歯科医師国家試験に向けた勉強では知識を暗記するだけでなく基礎と臨床を繋げ理解を深めていく必要があります。その過程では誰にでも分からないことが出てきます。大切なのは分からないことがあるかどうかではなく分からないまま放置していないかどうかです。
3.進級や卒業に不安を感じたら早めに言葉にしてください
試験が近づくと不安を誰にも話せなくなる学生がいます。「進級できなかったらどうしよう」
「このままでは卒業できないかもしれない」
「歯科医師国家試験に合格できる気がしない」
こうした気持ちを抱えていても周囲に心配をかけたくないため何事もないように振る舞います。けれども表面上は普段どおりに見えても心のなかでは大きな不安を抱えていることがあります。不安があること自体は決して悪いことではありません。自分の将来を真剣に考えているからこそ不安になるのです。
問題は不安を抱えたまま何も行動できなくなってしまうことです。不安を感じたらまずその内容を具体的にしてみてください。進級が不安なのであればどの科目のどの範囲が問題なのか。卒業(学士)試験が不安なのであれば現在の成績と合格基準との間にどの程度の差があるのか。歯科医師国家試験が不安なのであれば基礎知識が不足しているのか臨床問題への対応が難しいのか。
漠然と「全部が不安」と考えていると解決策は見つかりません。しかし問題を具体的に分けることができれば取り組むべき課題が見えてきます。そして自分一人で整理できない場合には教員や講師に家族など信頼できる人に相談してください。相談することは誰かに解決を丸投げすることではありません。自分の状況を共有し次に何をすべきかを一緒に考えることです。
早い段階で相談できれば選べる対策も増えます。限界まで我慢してからでは取り得る方法が少なくなってしまうこともあります。
4.4・5・6年生へそれぞれに必要なことがあります
歯学部の学生にとって学年によって向き合う課題は異なります。4年生であれば進級試験やCBTを通過することが重要です。しかし目の前の試験だけを乗り越えればよいわけではありません。卒業までの残り2年間を見据え基礎知識を確かなものにしていく必要があります。5年生では臨床実習を通して学ぶ内容とこれまでに身につけた基礎知識を結びつけていくことが大切です。6年生になってから一から準備を始めるのではなく早い段階から卒業(学士)・歯科医師国家試験を意識しておく必要があります。
6年生では卒業(学士)試験と歯科医師国家試験という大きな目標が迫ってきます。周囲の学生も緊張し模擬試験の結果に一喜一憂する時期です。どの学年であっても勉強そのものは自分で進めなければなりません。しかし計画が現実的かどうか勉強の方法が適切かどうか理解できていないところをどのように補うかについては第三者の視点が役立つことがあります。
「自分で何とかしなければならない」と考えるあまり必要な助言まで遠ざけないでください。自分で努力することと人の力を借りることは決して矛盾しません。
5.家族にも大学教員のみなさんにもお伝えしたいことがあります
学生のみなさんの中には家族に心配をかけたくないという思いから成績や試験の状況を正直に伝えられない人もいると思います。しかし家族が本当に心配しているのは成績そのものだけではないかもしれません。本人が何を考えどのような状況に置かれどこに困っているのかが分からないことも不安の原因になります。もちろん何もかもを一度に話す必要はありません。それでも困っていることやこれから取り組もうとしていることを少しずつ共有できれば、家族も支え方を考えやすくなります。また大学の教員に相談することをためらう学生もいます。相談したことで評価が悪くなるのではないか努力不足を指摘されるのではないかと心配することもあるでしょう。
しかし進級や卒業に関する問題は放置しても自然に解決するとは限りません。自分の状況を整理し必要な情報や助言を得ることは学生として大切な行動です。ただし相談すれば必ず希望どおりの結果になるわけではありません。必要な努力をするのは自分自身です。それでも自分の状況を正確に知り改善に向けて行動するために周囲とのつながりを活用してください。
6.弘中塾が大切にしていること
当塾では学生の成績や試験の結果だけを見るのではなくどこでつまずいているのか何が理解できていないのかどのような勉強を続けてきたのかを確認することを大切にしています。成績が上がらないときただ「もっと勉強してください」と伝えるだけでは十分ではありません。勉強時間が不足しているのであれば学習時間の確保が必要です。基礎が理解できていないのであれば教科書に戻る必要があります。問題を解くことばかりに偏っているのであれば知識の整理や理解の確認が必要です。時にはこれまでの勉強方法を変えなければならないこともあります。本人にとって耳の痛い話をしなければならない場合もあります。
それでも本人の現状を一緒に確認し必要な課題を明らかにしていくことが次の一歩につながると考えていますただし、誰かが支えてくれるからといって本人が勉強しなくてもよいわけではありません。講師が代わりに試験を受けることはできませんし成績や合格を保証することもできません。最終的に勉強するのは学生本人です。だからこそ、自分で努力する時間と周囲の力を借りる時間の両方を大切にしてほしいのです。
7.孤独な時間を成長する時間に変えてください
受験勉強には、一人で机に向かわなければならない時間があります。理解できるまで何度も教科書を読み直す時間。間違えた問題を振り返る時間。覚えたつもりの知識をもう一度確認する時間。思うような結果が出なくても翌日また勉強を始める時間。そうした時間は決して楽しいことばかりではありません。しかし自分自身と向き合い少しずつできることを増やしていく時間でもあります。一方で苦しいときに誰にも助けを求められず自分の価値まで否定するようになってしまったらその孤独は勉強を前に進める力を失わせてしまいます。みなさんに覚えておいてほしいのは助けを求めることは努力を放棄することでは決してないということです。
自分で考える。自分で勉強する。自分の責任で行動する。そのうえで分からないことがあれば質問する。不安があれば相談する。必要であれば、勉強の方法を見直すために誰かの力を借りる。それでよいのです。
受験勉強は確かに孤独な営みです。しかしみなさんが将来の歯科医師として患者さんと向き合う時にも一人ですべてを抱え込む必要はありません。分からないことを確認し必要なときに周囲と協力しよりよい判断を目指す姿勢は医療に携わるうえでとても大切です。
最後に現役生のみなさんへ
今進級や卒業(学士)・歯科医師国家試験に不安を感じている人がいるかもしれません。周囲には順調に進んでいる学生がいる一方で自分だけが遅れているように感じている人もいるでしょう。しかし今の成績だけでこれからのすべてが決まるわけではありません。大切なのは現状を正確に把握し必要な行動を始めることです。一人で机に向かう時間を大切にしてください。そして一人で抱え込まないでください。分からないことを質問する。自分の課題を誰かに話す。勉強方法を見直す。必要な助言を受け入れる。そうした行動は決して恥ずかしいことではありません。受験勉強は孤独であっても、孤立してはいけません。
自分の力で進むためにこそ周囲とのつながりを大切にしてください。
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受験勉強は孤独であっても孤立してはいけない【浪人生・既卒生編】
―― 誰にも頼れないと思ったときこそ1人で抱え込まないでください ――
歯科医師国家試験に不合格となりもう一度受験することになった方へ。大学を卒業しこれから先は自分一人で勉強を進めなければならない。大学に通っていたころとは違い毎日顔を合わせる同級生もいない。授業や実習に追われる生活も終わり机に向かう時間は自分でつくるしかない。そのような日々の中で孤独を感じることはないでしょうか。朝起きて勉強を始める。教科書を読み問題を解く。間違えたところを復習し模擬試験の結果を確認する。明日も同じように勉強する。毎日の生活は周囲から見れば大きく変わらないかもしれません。しかし自分の心のなかではさまざまな思いが交錯していることがあります。
「今年こそ合格したい」
「また不合格になったらどうしよう」
「家族にこれ以上心配をかけたくない」
「友人はすでに歯科医師として働いているのに、自分は何をしているのだろう」
「もう一度挑戦することに、本当に意味があるのだろうか」
そうした思いを抱えながらも誰にも相談できず勉強を続けている方がいると思います。既卒生の受験生活には現役生とは違う難しさがあります。大学という場所から離れ勉強の進み具合を確認してくれる人も日々の努力を共有する仲間も少なくなるからです。しかし僕は既卒生のみなさんにこそ伝えたいことがあります。
受験勉強は孤独であっても孤立してはいけません。
自分で勉強することは必要です。しかしすべての不安や悩みを一人で抱え込む必要はありません。
1.卒業した後の受験勉強は大学在学中とは全く違います
大学に在学しているときには定期・進級・卒業(学士)試験など一定の時期に試験があります。講義や実習があり周囲の学生の様子も目に入ります。良くも悪くも大学生活には日々の予定や区切りがしっかりとあります。ところが卒業後は一変します。一日の勉強時間をどう確保するのか。何を優先して勉強するのか。どの時期までにどこまで仕上げるのか。模擬試験の結果をどのように受け止め次の勉強にどうつなげるのか。その多くを自分で判断しなければなりません。自由に使える時間が増える一方で生活のリズムが崩れたり勉強の進み具合が分からなくなったりすることもあります。勉強しているつもりでも同じところを繰り返しているだけかもしれません。更に既卒生には昨年度の試験結果という現実があります。
自分なりに努力したのに合格できなかった。もう少し勉強していればよかったと思う。あるいは何が足りなかったのかさえはっきり分からない。その経験があるからこそ今年の勉強に慎重になることもあります。反対に昨年の失敗を思い出したくないために結果を振り返ることを避けてしまう場合もあります。しかしもう一度受験するのであれば昨年度の結果を正面から見つめる必要があります。
それは自分を責めるためではありません。同じ失敗を繰り返さないためです。
2.「去年も勉強した」という事実だけでは次の合格につながりません
既卒生の方と話していると「去年も一生懸命勉強しました」という言葉を聞くことがあります。その言葉には本人にしか分からない努力や苦しみが込められていると思います。勉強を続けることは簡単ではありません。不合格という結果を受け止めもう一度机に向かうには相当な覚悟が必要です。僕はその努力を軽く考えているわけではありません。ただしここで考えてほしいことがあります。昨年と同じ時間に同じ教材や同じ方法で勉強を続ければ今年は必ず合格できるのでしょうか。残念ながらそうとは限りません。昨年の勉強で不足していたのが学習時間だったのかもしれません。あるいは勉強時間は確保していたものの教科書の内容を十分に理解できていなかったのかもしれません。過去問題の答えは覚えていても少し形を変えた問題になると対応できなかった可能性もあります。
知識を覚えることと知識を理解して使えるようになることは同じではありません。間違えた問題の答えだけを覚えてもその問題の背景にある病態や診断や治療の考え方を理解していなければ別の問題に応用することは難しくなります。だからこそ昨年度の勉強を振り返るときには、単に「勉強時間が足りなかった」と結論づけないでください。
何を理解できていなかったのか。どの科目を後回しにしていたのか。問題を解いた後に教科書へ戻って確認していたのか。全国模擬試験で間違えた内容をその後の勉強に反映できていたのか。こうした点を具体的に確認することが必要です。振り返りは過去を悔やむための作業ではありません。今年の勉強を変えるための作業です。
3.自分の弱点を認めることは敗北では無く大きな前進です
既卒生のなかには長い時間を勉強に費やしてきた方もいます。何年も受験を続けていると自分の苦手分野を指摘されることがつらくなる場合があります。「これだけ勉強してきたのに、まだ分かっていないのか」
「今さら基礎に戻るのは恥ずかしい」
「同じ問題を間違える自分には、もう無理なのではないか」
そのように感じてしまうこともあるでしょう。しかし基礎に戻ることはこれまでの努力を否定することではありません。むしろこれまでの勉強で何が身についていて何が十分ではなかったのかを確認することです。歯科医師国家試験では幅広い領域の知識が求められます。教科書に書かれている内容を理解し基礎と臨床をつなぎ問題の条件に応じて知識を使えるようにすることが大切です。
過去問題を繰り返し解くことは必要です。しかし答えを覚えることだけに偏ってしまうと出題のされ方が変わったときに対応できないことがあります。問題を間違えたら正解を確認するだけで終わらせないでください。なぜその答えになるのかほかの選択肢はなぜ違うのかその知識は教科書のどこに位置づけられるのかを確認してください。
時間がかかることもあるでしょう。しかしその積み重ねが知識を確かなものにしていきます。自分の弱点を認めることは敗北ではありません。弱点を見つけたからこそそこから改善を始めることができるのです。
4.孤立すると自分の判断だけが正しいと思い込んでしまうことがあります
一人で勉強している勉強方法についても、自分だけで判断することが多くなります。この教材を続けるべきか。別の教材に変えるべきか。今の勉強量で足りるのか。模擬試験の成績が伸びないのは勉強時間が足りないからなのか。それとも勉強方法そのものに問題があるのか。自分なりに考えても簡単には答えが出ないことがあります。そして相談できる相手がいないと同じ判断を繰り返してしまうことがあります。成績が伸びないから教材を増やす。しかし教材が増えたことで復習が追いつかなくなる。焦ってさらに問題を解くものの間違えた理由を十分に確認できない。その結果として勉強時間は長くなっているのに知識が殆ど定着しない。このような悪循環に陥ってしまうこともあります。だからこそ時には第三者の視点が必要です。
自分の勉強方法を説明してみる。模擬試験の結果を見ながら苦手分野を整理してみる。現在の勉強計画が現実的かどうかを確認してみる。
誰かに相談したからといって必ず正しい答えが得られるわけではありません。しかし自分では気づかなかった問題点を発見できることがあります。大切なのは誰かに判断を委ねてしまうことではなく自分の判断を検証する機会を持つことです。自分で考えることと第三者の意見を聞くことは両立します。
5.家族に申し訳ないという気持ちだけで受験生活を続けないでください
既卒生の方にとって家族の存在は大きなものだと思います。受験を続けることを支えてくれる家族がいる。生活面で協力してくれる家族がいる。もう一度挑戦することを認めてくれた家族がいるその一方で、家族に対して申し訳ないという気持ちを抱えている方もいるでしょう。「いつまで心配をかけるのだろう」
「これ以上、経済的な負担をかけられない」
「今年こそ結果を出さなければならない」
こうした思いが勉強の原動力になることもあります。しかし申し訳なさだけで自分を追い込んでしまうと勉強そのものが苦しくなり冷静に自分の状況を判断できなくなることがあります。家族への感謝は大切です。しかし感謝を示す方法は自分を責め続けることだけではありません。現在の勉強状況を整理すること。何が課題なのかを把握すること。どのように改善するつもりなのかを伝えること。そして決めたことを実行していくこと。
そうした行動も家族に対して誠実に向き合う方法だと思います。もちろん家族との話し合いが簡単ではない場合もあるでしょう。受験を続けるかどうかについて意見が食い違うこともあると思います。そのようなときこそ感情だけで結論を出さず現在の学力にこれまでの経過や今後の勉強計画と生活面の条件などを整理して考えてください。
一人で結論を出すことが難しければ信頼できる第三者に相談することも選択肢の一つです。
6.「もう一回」を去年と同じ一年にしないでください
既卒生の方に私は一つの問いを投げかけたいと思います。今年もう一度受験するのはなぜでしょうか。歯科医師になりたいからでしょうか。これまでの努力を無駄にしたくないからでしょうか。家族に申し訳ないからでしょうか。それとも他の進路を考えることが怖いからでしょうか。その答えは人によって違うと思います。簡単に整理できない場合もあるでしょう。僕はどのような思いを抱えているかだけで誰かを責めるつもりはありません。ただ受験生活を続けるのであれば自分が何を目指しているのかをできるだけ正直に考えてほしいと思います。
目標が明確になれば、必要な行動も考えやすくなります。歯科医師になることを本当に目指しているのであればその目標に向けてこれまでの勉強方法を変える必要があるかもしれません。苦手科目から逃げないこと教科書に戻ることと模擬試験の結果を分析することや生活のリズムを整えることなど具体的な行動が必要になります。
一方で自分の気持ちが分からなくなっているのであればそのこと自体を放置しないでください。勉強を続けるかどうかを含め今後の選択肢を整理することも大切です。大切なのは周囲に流されて受験を続けることでも苦しさに耐えること自体を目的にすることでもありません。自分の意思で目標を確認し、その目標に必要な行動を選び取ることです。「もう一回」という言葉に意味を持たせるためには去年と同じ一年を繰り返さないことが必要です。
7.孤独な受験生活にも相談できる場所を持ってください
既卒生の受験生活では勉強の進み具合を誰かに確認してもらう機会が少なくなりがちです。自分の成績が今どの位置にあるのか。勉強の方向性が適切なのか。苦手分野をどの順番で克服するべきなのか。こうしたことを自分一人で判断し続けるのは簡単ではありません。そのため定期的に自分の状況を確認できる機会を持つことをお勧めします。全国模擬試験を受けたら結果を見て一喜一憂するだけではなく間違えた内容を整理する。一定期間ごとに勉強計画を見直す。自分では解決できない疑問があれば質問できる相手を探す。必要であれば歯科医師国家試験対策を理解している講師などに相談し現在の学習状況を客観的に確認することも一つの方法です。
ただし誰かに相談すれば合格できるというものではありません。講師が勉強を代わりに進めてくれるわけでも合格を保証してくれるわけでもありません。相談を通じて課題を明らかにしその課題に取り組むのは受験生本人です。それでも進む方向を確認できることには意味があります。一人で努力するために、相談できる場所を持っておく。それは、既卒生にとって大切な受験環境の一つだと私は考えています。
8.合格だけでなく自分自身を見失わないでください
受験が長くなると日々の生活が歯科医師国家試験を中心に必ず回るようになります。全国模擬試験の結果がよければ安心し悪ければ落ち込む。勉強が進めば自分を認められるけれど予定どおりに進まなければ自分を責めてしまうもちろん歯科医師国家試験に合格することは重要な目標です。しかし、試験の結果だけで自分の人間としての価値まで決める必要はありません。不合格という結果は試験に合格できなかったという事実です。そこから何が足りなかったのかや何を変える必要があるのかを考えることは必要です。しかしその結果だけで自分には何の価値もないと結論づける必要はありません。思うように勉強が進まない日もあるでしょう。計画を変更しなければならないこともあるでしょう。模擬試験で厳しい結果を突きつけられることもあると思います。
そのときは必要な反省をした上で次の行動に移って欲しいです。自分を責め続けても知識が増えるわけではありません。昨日の失敗を振り返り今日やるべきことを決め実行していく。その積み重ねが次の結果につながっていきます。そしてどうしても気持ちが整理できないときには一人で抱え込まず信頼できる人に話してください。受験生活を続ける上で自分の心身を大切にすることも勉強を続けるために必要なことです。
最後に浪人(既卒)生のみなさんへ
既卒生として受験を続けることは決して簡単ではありません。周囲と自分を比較してしまうこともあるでしょう。家族への申し訳なさを感じることもあるでしょう。昨年の結果を思い出し今年も同じことになるのではないかと不安になることもあると思います。それでも今の状況を正確に把握し必要な行動を一つずつ積み重ねていくことはできます。昨年の勉強を振り返る。自分の弱点を認める。教科書に戻って理解を確かめる。勉強方法を見直す。必要なときには第三者に相談する。そして今年もう一度受験する意味を自分自身に問い直して欲しいです。受験勉強は自分で取り組まなければならないものです。誰かに代わってもらうことはできません。しかし自分で取り組むことと全てを一人で抱え込むことは違います。
受験勉強は孤独であっても、孤立してはいけません。
孤独な時間のなかで自分自身と向き合いながらも必要なときには人の力を借りてください。自分の課題を言葉にし助言を受けもう一度自分の進む方向を確かめてください。今年の受験を昨年と同じ一年にしないために。そして歯科医師になるという目標に向かうのかあるいはこれからの人生をどのように歩むのかを自分自身で納得して考えるために。
一人で努力することを大切にしながら一人で苦しみを抱え込まないでください。
弘中塾 塾長弘中崇
歯科医師国家試験、歯科国試合格、歯科大学卒業・進級・留年、卒国試過去問、オンライン、CBT、歯科国試直前講習等をテーマに今後もコラム・よくある質問を公開させて頂く予定です。
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政策委員長談話「需給問題が歯科医師の質低下に」/機関紙2017年6月1日号(№567)2面掲載
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