塾長コラム

人口減少・超高齢化と合格者数の一考察|塾長コラム75 公開させて頂きました。

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各歯科大学生のみなさん、こんにちは、弘中塾の弘中です。

本日は

人口減少・超高齢化と合格者数の一考察
――第119回歯科医師国家試験を迎える受験生と保護者のみなさまへ――

塾長コラム公開させて頂きました。

 

どうぞ最後迄宜しくお願い致します。

 




■はじめに

日本社会は今、歴史上類を見ないスピードで人口減少と超高齢化が進んでいます。総人口はすでに減少局面に入り出生数は戦後最低を更新し続けています。一方で後期高齢者人口は増え続け2025年にはいわゆる「団塊の世代」がすべて75歳を超える時代を迎えます。この構造変化は医療政策・保険制度に深刻な影響を及ぼしつつあり歯科医療のあり方もまた例外ではありません。

この大きな流れの中で、「歯科医師国家試験の合格者数をどう調整していくのか」という問題は受験生にとっても、そのご家族にとっても、そして歯科大学・教育機関にとっても切実な課題になってきました。特に近年の難化傾向と合格者数の絞り込み、そして6年間で卒業できる私立大学生が25%前後という現実を考えるとこれは単なる“試験の話”にとどまりません。

今回は人口減少・医療費削減・開業医数減少という大きな国の方向性と歯科医師国家試験合格者数の関連について可能な限り客観的に整理しながら受験生の皆さんと私共がどの様に向き合うべきかを考察していきたいと思います。






■人口減少と医療費削減がもたらす「構造的圧力」

国が2025年以降に4兆円規模の医療費削減に踏み切る方針を固めたのは単なる財政問題ではありません。人口ピラミッドの形状そのものが「医療費を自然に増やす構造」になっているため増え続ける後期高齢者医療費に対して政府が本質的に手を打たざるを得なくなったという厳しい現実と事情があります。

実際に以下の3点が同時に進行しています。




  1. 後期高齢者人口の急増


  2. 現役世代の急減による保険料支え手の減少


  3. 医療費の自然増(薬剤費・入院費・慢性疾患管理費の増加)

これらは医療財政に「構造的圧力」を生み制度改革の方向を決定づける要因になっています。そして医療費削減の一環として、「供給側の抑制」、すなわち**医療提供者数の最適化(医師・歯科医師数の調整)**は避けられない状況です。

歯科領域ではすでに開業医数が昨年あたりから減少傾向に転じました。これは“ようやく減った”というよりも、“過剰供給が限界に達した”という見方が正しいかもしれません。人口が減る以上、医師・歯科医師数を自動的に増やし続けるわけにはいかないのです。






■歯科医師国家試験の合格者数はどこへ向かうのか

歯科医師国家試験はこの10年で明らかに難化し合格者数も抑制される方向にあります。これは偶然ではなく、「医療費圧縮」と「人口動態の変化」という国の大きな方針に連動しています。

特に以下の事実は重く受け止める必要があります。




  • 合格者数は年間2,000人前後で頭打ち


  • 出願者数が減っても合格率を“緩めない”傾向が強まっている


  • 歯科大学側の進級・卒業判定が年々厳格化している

すなわち「入れる歯科大学はあっても出られる歯科大学は減っている」という現象が毎年発生しています。これは歯科大学の意図ではなく、“歯科国試の合格率が下がれば大学評価そのものが下がる”という現実的な仕組みがある為に歯科大学としても学生を守るために「途中段階でふるいにかける」構造が形成されているのです。

つまり歯科医師国家試験合格者数は “無制限に広がる”ことはなくむしろ徐々に絞られる方向にあります。






■受験生にとっての“現実的な影響”

この状況下で受験生はどのような姿勢で歯科医師国家試験と向き合うべきでしょうか。

結論から言えば
「偶然ではなく、確実に合格出来る学習」を積み上げる以外に道はありません。

いまの歯科医師国家試験は




  • 試験範囲が広い


  • 問題が深い


  • 科目横断型の思考が強く求められる


  • 暗記だけではもう太刀打ちできない

という性質があり従来の“短期詰め込み型”では通用出来ない試験構造になっています。

また、合格者数が抑制される傾向にあるということは「70点前後に大きな壁が存在する」という現象が起こりやすいという意味でもあります。

これは心理的にも大きな圧力ですがむしろ大切なのは“だからこそ安定して70点以上を取れる実力を早期に作る必要がある”という意味です。






■保護者様が知っておくべき現実

保護者様にもお伝えしておきたい事が次の3点です。




  1. 歯科大学在学中の進級・卒業判定は今後さらに厳格化する方向である


  2. 卒業=歯科医師国家試験にほぼ合格できる実力が必要な時代になった


  3. 本人任せの“自主学習”で乗り越えられる時代は終わった

歯科医師国家試験はもはや“単年勝負の試験”ではありません。
学力形成は3~4年生の段階から始まっており6年生になってから立て直すにはコスト・労力・時間も非常に大きくなっています。

だからこそ「早い段階で正しい学習の軌道に乗せてあげること」が極めて重要になります。

これが弘中塾が「モバイル弘中塾」や「進級対策部」を立ち上げた大きな理由でもあります。






■歯科国試合格者数が絞られる時代でも“確実に合格出来る受験生”の特徴

私はこれまで多くの受験生を見てきましたが難化した時代でも受かる生徒には共通点があります。




  1. 自分の弱点を正確に把握している


  2. 必要な科目に必要な時間を正しく配分できる


  3. 暗記と理解のバランスが取れている


  4. 精神論に流されず淡々と積み上げられる


  5. 学習計画を「守れる」

特に 5 .「学習計画を守れる」は極めて重要です。

勉強法を知っていることと実際に実行できることは全く別の能力です。
歯科医師国家試験難化が進む程“自分を管理できるかどうか”が合否を大きく左右します。






■今後の合格者数はどう推移するか

今後の合格者数推移について一考察を以下にまとめます。




  • 日本全体の人口が減る以上、医師・歯科医師の供給数は増やさない・増やせない


  • 医療費4兆円削減の方針と維新との連立は「構造改革を更に進める政権」である


  • 歯科大学の進級・卒業判定は更に厳しくなる可能性が非常に高い


  • 合格者数は2,000〜2,200人で安定させる方向が濃厚だが今後は全く分からない


  • 合格率は出願者数に合わせて変動しにくい

つまり、「全体として絞り込みつつ教育水準の底上げを図る」という方向が国の方針として読み取れます。






■まとめ ― 個人の努力は必ず報われる時代へ

人口減少・医療費圧縮・開業医数減少・大学の厳格化――。
さまざまな社会背景が歯科医師国家試験合格者数に毎年影響を与えています。

しかし、どれほど難化しても“準備した人は確実に受かる国家試験”であることは変わりません。

むしろ今の試験は「努力した量と質がそのまま結果に反映されやすい試験」です。

今年受験される皆さんには、国の方針や合格者数の議論に不安を抱きすぎることなく“必要な努力を淡々と積み上げるだけで十分に勝てる”
という事実をお伝えしたいと思います。

そして最後に


■諦める前に必ず相談して下さい

弘中塾は受験生・留年生・復学生・再受験生のそれぞれに合わせた最適な学習方法とルートを毎年ご提供しています。

今年の歯科医師国家試験に向けて不安のある方や自分の実力が“今どれくらいなのか”知りたい方などあと数点を伸ばしたい方どんな方でも諦める前にぜひ塾長面談へお越し下さい。

必ず道はあります。
そして、その道をご一緒に見つけるのが弘中塾の役目です。

最後迄有難う御座いました。

弘中塾

弘中 崇


人口減少の日本 2050年にはどうなる 最新データからわかること

歯科医師国家試験、歯科国試合格、歯科大学卒業・進級・留年、卒国試過去問、オンライン、CBT、歯科国試直前講習等をテーマに今後もコラム・よくある質問を公開させて頂く予定です。

モバイル弘中塾  講義コース (https://h-kobetsu.com/course/)

政策委員長談話「需給問題が歯科医師の質の低下に」/機関紙2017年6月1日号(№567)2面掲載 (https://www.tokyo-sk.com/featured/10655/)
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