塾長コラム
教科書を閉じるとき、合格は遠ざかる|塾長コラム92 公開させて頂きました。
東京科学大学歯学部 新潟大学歯学部 大阪大学歯学部 広島大学歯学部 公立大学法人九州歯科大学 北海道医療大学歯学部
岩手医科大学歯学部 奥羽大学歯学部 日本歯科大学新潟生命歯学部 日本大学松戸歯学部 松本歯科大学歯学部 福岡歯科大学歯学部
神奈川歯科大学歯学部 明海大学歯学部 鶴見大学歯学部 愛知学院大学歯学部 朝日大学歯学部 大阪歯科大学樟葉キャンパス
大阪歯科大学天満橋キャンパス 日本大学歯学部 日本歯科大学生命歯学部 昭和大学歯学部 東京歯科大学歯学部
==========================================
各歯科大学生と既卒生のみなさん、こんにちは、弘中塾の弘中 崇です。
今日の塾長コラムは
教科書を閉じるとき、合格は遠ざかる
―歯科国試浪人と過去問依存に潜む落とし穴―
最後迄宜しくお願い致します。
歯科医師国家試験を目指す多くの学生にとって、過去問は非常に重要な教材です。国家試験対策と言えばまず過去問、と言っても良いほど一般的な学習方法になっています。
実際、過去問を解くことには多くの利点があります。出題傾向を知ることが出来ますし、重要分野を把握することも出来ます。問題形式にも慣れることが出来るため、試験本番での対応力も高まります。
その意味では、過去問は国家試験対策において欠かすことが出来ない存在です。
しかし、ここで一つ大切なことがあります。それは「過去問はあくまで補助教材である」という点です。決して学習の中心になるものではありません。
ところが近年、この関係が逆転しているように感じることがあります。教科書よりも過去問が中心になり、学習の軸が問題演習だけに偏ってしまうケースが増えているのです。
そして、この傾向は特に国試浪人の受験生に強く見られます。
一度国家試験を経験すると、多くの受験生は「過去問をもっとやれば良かった」と感じます。その反省から、翌年は過去問を徹底的に解くという学習に向かうことがあります。
この姿勢自体は決して間違いではありません。しかし、過去問だけに依存した学習になってしまうと、思わぬ落とし穴にはまることがあります。
それは「教科書を閉じてしまう」ということです。
国家試験に再挑戦する受験生の中には、教科書をほとんど開かなくなる学生がいます。理由は様々ですが、「時間が足りない」「過去問の方が効率が良い」「教科書は難しくて読みにくい」といった声をよく聞きます。
確かに、教科書を読むことは簡単ではありません。内容は専門的ですし、分量も多くあります。忙しい勉強の中で、つい後回しになってしまう気持ちも理解出来ます。
しかし、ここに大きな問題があります。
教科書を閉じてしまうと、知識の土台が徐々に弱くなっていくのです。
過去問は問題と答えのセットです。つまり、ある特定の状況に対する答えを覚える学習になりやすいのです。この方法で得られる知識は「点」としては有効ですが、体系的な理解にはつながりにくい場合があります。
教科書はその点が大きく違います。知識の背景や流れを説明しながら、体系的に理解出来るように構成されています。
例えば一つの疾患を考えてみます。教科書では、病因、病態、症状、診断、治療という順序で説明されています。この流れを理解することで、初めてその疾患の全体像が見えてきます。
過去問だけでは、この全体像を十分に理解することは難しい場合があります。
そして国家試験の問題は、年々この「全体像」を問う方向に進んでいます。単純な暗記では対応出来ない問題が増えているのです。
第119回歯科医師国家試験でも、この傾向ははっきりと見られました。教科書の内容をしっかり理解していなければ解くことが出来ない問題が多く出題されていました。
このような問題に対して、過去問だけの学習では限界があります。
実際、国試浪人の受験生の中には「過去問はかなり解いたのに点数が伸びない」という悩みを抱えている学生がいます。この場合、多くの原因は知識の土台にあります。
教科書を読まずに過去問だけを解いていると、知識が断片的になりやすいのです。その結果、問題の形式が少し変わっただけで対応出来なくなります。
逆に、教科書を中心に学習している学生は強いです。問題の形が変わっても、背景の知識から答えを導くことが出来るからです。
私は長年多くの受験生を見てきましたが、合格する学生には一つの共通点があります。それは必ず「教科書に戻る習慣」を持っているということです。
問題を解いていて分からない部分があれば、必ず教科書を開きます。そしてその内容を確認し、理解した上で再び問題に戻ります。
この繰り返しの中で、知識が少しずつ整理されていきます。
一方で、問題の解説だけを読んで終わってしまう場合、理解は浅いままになりやすいのです。
教科書は決して効率の悪い教材ではありません。むしろ最も確実に知識を身につけることが出来る教材です。時間はかかるかもしれませんが、その分だけ理解は深くなります。
国家試験は短距離走ではありません。長い準備の中で知識を積み重ねていく試験です。その意味では、教科書を中心とした学習は最も確実な方法と言えるでしょう。
もちろん過去問も大切です。しかし、それは教科書の理解を確認するための道具として使うべきものです。
教科書を閉じてしまうと、合格は少しずつ遠ざかっていきます。
逆に、教科書を開き続ける学生には必ず力がついてきます。最初は難しく感じても、何度も読み返すことで理解は深まります。そしてその理解が、国家試験の問題を解く力につながっていきます。
国家試験に挑戦するすべての学生に、ぜひお伝えしたいことがあります。
教科書を手元から離さないでください。
不安になったときこそ教科書に戻ってください。そこには必ず答えがあります。そして、その積み重ねが合格への道を作っていきます。
教科書を閉じるとき、合格は遠ざかります。
しかし教科書を開き続ける限り、合格への道は必ずつながっているのです。
弘中塾
弘中 崇
==================
歯科医師国家試験、歯科国試合格、歯科大学卒業・進級・留年、卒国試過去問、オンライン、CBT、歯科国試直前講習等をテーマに今後もコラム・よくある質問を公開させて頂く予定です。
モバイル弘中塾 (https://h-kobetsu.com/lp/mobile-hironakajuku/)
講義コース (https://h-kobetsu.com/course/)



