塾長コラム

繰り返すことの大切さと決定的な過ち|塾長コラム103 公開させて頂きました。

繰り返すことの大切さと決定的な過ち

―6年間で見えてきた“学びのズレ”の正体―

2020年4月頃から、当塾へのお問い合わせの中で一つのテーマが増え始めました。

それが「繰り返し学習」についてのご質問です。

「何回繰り返せば良いのでしょうか」
「同じ問題を何度もやる意味はありますか」
「効率の良い復習方法を教えて下さい」

そして2026年3月を迎えた現在においても、この問いは変わらず多く寄せられています。

一見すると、非常に基本的なテーマです。

しかし、この6年間を通して見えてきたのは、「繰り返すこと」そのものではなく、“繰り返し方のズレ”が、結果に大きな影響を与えているという事実です。

今回は、「繰り返すことの本質」と「多くの方が陥っている決定的な過ち」について、この6年間の変遷を踏まえてお話しします。






2020年:繰り返し=量という認識

2020年前後は、「とにかく回す」という言葉が象徴的でした。

過去問を何周したか。
問題集を何回転させたか。

この“回数”が努力の指標になっていました。

確かに、当時の国家試験は過去問との連動性も高く、繰り返しによって得点が安定する側面もありました。

そのため、「繰り返せば伸びる」という認識は、ある意味では機能していたと言えます。

しかし、この時点ですでに一つの問題が潜んでいました。

それは、「何をもって繰り返しとするか」という定義が曖昧だったことです。






2021〜2022年:繰り返しているのに伸びない

この頃から、明確な変化が見え始めます。

「何周もしているのに点数が伸びない」
「覚えているはずなのに解けない」

こうしたご相談が増えてきました。

ここで初めて、「繰り返している=力がついている」という前提が崩れ始めます。

原因は明確です。

“繰り返し”が「確認作業」に変わっていたのです。

解答を見て思い出す。
選択肢を見て「ああこれか」と感じる。

しかし、自分で再現出来る状態にはなっていない。

このズレが、徐々に結果として現れてきました。






2023〜2024年:教科書との乖離

さらに大きな変化が訪れます。

国家試験の出題が、より教科書ベースへとシフトしていきました。

この変化により、「過去問の繰り返し」だけでは対応出来ない問題が増えていきます。

ここで多くの学生が直面したのが、「繰り返しているのに初見問題に弱い」という現実です。

つまり、繰り返している対象そのものが偏っていたのです。

過去問だけを繰り返す。
しかし、その背景となる知識は整理されていない。

この状態では、応用が効きません。






2025〜2026年:繰り返しの“質”が問われる時代

そして現在です。

もはや「繰り返すこと」自体に価値はありません。

何を、どのように、どのレベルまで繰り返しているのか。

ここが問われる時代になっています。

実際、今回の国家試験においても、「知識の再現力」と「理解の深さ」が明確に差となって現れました。

単なる反復ではなく、「再構築としての繰り返し」が求められています。






決定的な過ちとは何か

では、多くの方が陥っている「決定的な過ち」とは何でしょうか。

それは、「繰り返している対象」と「繰り返しているレベル」の両方を誤っていることです。

まず対象です。

過去問だけを繰り返していないか。
教科書に戻っているか。

この視点が欠けているケースが非常に多く見られます。

次にレベルです。

“見て分かる”で終わっていないか。
“自分で再現出来る”ところまで到達しているか。

この差は非常に大きいものです。






本当の繰り返しとは何か

では、正しい繰り返しとは何でしょうか。

それは、「同じものを何度も見ること」ではありません。

「出来ないものを、出来る状態に変えるプロセス」です。

1回目:理解する
2回目:確認する
3回目:自力で再現する
4回目:応用出来るか確認する

この段階を踏んで初めて、“繰り返した”と言えます。






繰り返しが生む“錯覚”

もう一つ重要な点があります。

繰り返しは、「出来ているような感覚」を生みやすいということです。

見たことがある。
聞いたことがある。
何となく分かる気がする。

これらはすべて、“錯覚”である可能性があります。

国家試験で求められるのは、「確実に解けること」です。

このギャップに気づけるかどうかが、結果を分けます。






なぜ同じ問いが6年間続いているのか

ではなぜ、このテーマが6年間変わらず問われ続けているのでしょうか。

理由はシンプルです。

「繰り返す」という行為は誰でも出来るからです。

しかし、「正しく繰り返す」ことは簡単ではありません。

そして、その違いは外から見えにくい。

だからこそ、多くの方が同じところでつまずき続けています。






これからの学習に必要な視点

これからの国家試験対策において必要なのは、以下の視点です。

・繰り返す対象を正しく選ぶ
・繰り返す深さを意識する
・再現出来るかで判断する
・教科書と往復する

この4点が揃って初めて、繰り返しは意味を持ちます。






最後に

繰り返すこと自体は、決して間違いではありません。

むしろ、学習において最も重要な要素の一つです。

しかし、その方法を誤ると、努力が結果につながらない状態になります。

この6年間で見えてきたのは、「努力の量」ではなく「努力の精度」が問われる時代への変化です。

同じ時間を使っても、結果が出る人と出ない人が分かれる。

その差は、こうした“細部”にあります。






面談のご案内

当塾では、「繰り返しているのに伸びない」という方に対して、学習のどこにズレがあるのかを具体的に分析しています。

何を繰り返すべきか。
どこまで仕上げるべきか。
どの段階で止まっているのか。

これらを明確にすることで、学習の質は大きく変わります。

諦める前に、ぜひ塾長面談をお待ちしています。

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