塾長コラム
予備校併用という選択ーー|塾長コラム71 公開させて頂きました。
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各歯科大学生と既卒生のみなさん、こんにちは、弘中塾事務局からのお知らせです。
予備校併用という選択 ―歯科国試難化時代における「学びの二重構造」をどう活かすか
ここ数年、歯科医師国家試験の難化と大学の進級基準の厳格化は加速度的に進んでいます。
ある意味で、過去の「勉強すればなんとかなる歯科国試」とは明確に時代が違うと言ってもいいかもしれません。
この変化の中で、多くの浪人生や学年生から寄せられる質問が「予備校と弘中塾の併用は可能ですか?」というものです。
本稿では、この問いを単なるQ&Aに止めず現代の学習環境を象徴するテーマとして僕として深く掘り下げてみたいと思います。
■ 1. なぜ今「併用」という考え方が増えているのか
昔の受験生は
予備校なら予備校一本
独学なら独学
個別指導なら個別一本
という“単線型” の学習が一般的でした。
しかし現在は
CBT・OSCE・実習
進級・卒業判定の厳格化
歯科医師国家試験合格率低下
私立歯科大学で6年卒業できる学生が25%前後
こうした現実の中で「一つの軸ではリスクが高い」という認識が受験生にも広がっています。
結果として
予備校+個別指導
予備校+大学の強化プログラム
独学+個別指導
という“複線型”の学習が増えているのが現状です。
■ 2. 併用の本質は「役割分担」にある
併用がうまくいく学生は「どちらに何を任せるか」を明確にしています。
● 予備校
大量インプット
網羅性
年間で進む一方向のカリキュラム
全範囲の把握
● 弘中塾
個別調整
どこを削るかどこを伸ばすかの判断
歯科大学進級・卒業・学士試験・歯科国試を一つの流れとして統合
学習計画の刷新
弱点の分析と最短距離の設定
この「役割分担」が崩れた時に併用は逆効果になります。
■ 3. 併用の難しさを直視する
併用にはメリットがある一方で難しさもあります。
① “情報の洪水” が起きる
予備校の講師がこう言った。
大学ではこう言われた。
友人はこう勉強している。
ネットでは別の方法が書かれている。
結果「誰の言うことを信じればいいのか分からない」という混乱に陥ってしまうことがあります。
弘中塾の役割の1つは情報の取捨選択をし、優先順位を固定することです。
② 量的負荷が増えすぎる
併用が破綻する学生の多くは「どちらも100%こなそうとする」傾向があります。
しかし、医学・歯学系の学習で最も大切なのは“量よりも精度” です。
完璧にやろうとするほど破綻します。
そのため弘中塾では学生ごとに
予備校の何を使うか
弘中塾の課題をどこまでにするか
を細かく決めます。
■ 4. 歯科国試難化時代の学習構造
歯科医師国家試験の難化は偶発的な現象ではなく
問題の抽象化
歯科医療の高度化
バイアス判定の厳格化
知識の横断的理解
を求める現代医療の流れと深く関わっています。
つまり「量」より「思考の質」と「管理の質」が以前より圧倒的に重要になっているのです。
併用は単に勉強量を増やすのではなく“二つの視点で学習を捉える”という意味で効果があります。
■ 5. 併用を成功させる3条件
併用で成功した学生には共通点があります。
① 優先順位を明確にする
予備校での課題/弘中塾の課題/歯科大学試験どれを優先すべきか常に明確になっています。
② 計画を毎週アップデートできる
併用は固定の計画だと破綻します。「予備校の進度」「歯科大学の各試験」「体調」「理解度」これらに合わせて週単位で調整することが必要です。
③ “迷ったら相談する”
併用が失敗する学生は
独断で勉強内容を変える
うまくいっていないのに黙ってしまう
という傾向があります。
最も大切なのは状況が崩れる前に修正することです。
■ 6. 迷っている方へ ― 僕からのメッセージとして
予備校に通いながらの併用を迷う気持ちは、誰にでもあります。
「本当に両立できるのか」「お金も時間も増えるのではないか」「今の成績で併用して意味があるのか」こうした不安は当然です。
しかし、時代が変わった今一つの学習軸だけでは対応しきれない現実が確実にあります。
併用という選択は弱さではなく“時代を正しく見つめた判断”です。
もし迷われているなら、まず現状を見せていただければ
併用すべきかどうか
求められる併用量
勉強の配分
国試までの全体戦略を明確にお伝えできます。
そして最後にひとつだけ。
諦める前に、ぜひ塾長面談をお待ちしています。
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歯科医師国家試験、歯科国試合格、歯科大学卒業・進級・留年、卒国試過去問、オンライン、CBT、歯科国試直前講習等をテーマに今後もコラム・よくある質問を公開させて頂く予定です。
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政策委員長談話「需給問題が歯科医師の質低下に」/機関紙2017年6月1日号(№567)2面掲載 (https://www.tokyo-sk.com/featured/10655/) https://www.cato.or.jp/cbt/dentistry-cbt/index.html



