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良い教科書に出会うと桜が見える|塾長コラム90 公開させて頂きました。

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各歯科大学生と既卒生のみなさん、こんにちは、弘中塾の弘中です。

今日のコラムは

良い教科書に出会うと桜が見える

―第119回歯科医師国家試験から見えてきた学びの原点―

公開させて頂きました。

どうぞ最後迄宜しくお願い致します。

春になりますと、桜の便りが各地から届きます。日本人にとって桜は特別な花であり新しい出発や努力の結実を象徴する存在です。歯科医師国家試験を目指す学生にとっても春に咲く桜は「合格」という形で現れます。

しかし、その桜を見ることが出来る学生には、ある共通点があります。それは「良い教科書に出会っている」ということです。そしてもう一つ重要なことは、その教科書を手元から離さないという姿勢です。

今回の第119回歯科医師国家試験はそのことを改めて強く感じさせる試験でした。

近年の国家試験対策では「過去問中心の学習」が主流となっていました。もちろん過去問は重要です。国家試験の傾向を理解するためには欠かすことが出来ません。しかし、過去問だけに依存した学習には限界があります。

今回の国家試験ではその限界が明確に示されたように感じています。

第119回国家試験の問題を見ていきますと教科書の内容をしっかり理解していなければ解くことが難しい問題が多く見られました。単に過去問の知識を覚えているだけでは対応出来ない問題が増えていたのです。

これは決して偶然ではないと思います。国家試験は本来、歯科医師として必要な基礎知識と理解を確認するための試験です。その意味では教科書を中心とした学習が求められるのは当然のこととも言えるでしょう。

この傾向は特に国試浪人の受験生にとって厳しいものだったかもしれません。過去問中心の学習を続けてきた場合には教科書の理解が十分でないまま試験に臨むことになります。その状態で教科書ベースの問題が増えれば対応が難しくなるのは当然です。

だからこそ改めて考えて頂きたいことがあります。それは「教科書を中心とした学習」に戻るということです。

良い教科書というものは単に知識が並んでいるだけの本ではありません。そこには学問の体系があり知識の流れがあり理解のための道筋が示されています。

例えば歯髄疾患を学ぶ場合でも教科書では病因から始まり病態から診断へそして治療へと一つの流れの中で説明されています。この流れを理解することで初めて知識が「点」ではなく「線」としてつながります。

過去問だけを解いている場合はこの流れを十分に理解することは難しい場合があります。どうしても「答えを覚える学習」になりやすいからです。しかし教科書を読むことでその知識がどのような背景を持っているのかを理解することが出来ます。

私は長年多くの学生を見てきましたが成績が安定している学生には一つの特徴があります。それは必ず「自分の教科書」を持っているということです。

ここで言う「自分の教科書」とは、単に購入した教科書という意味ではありません。何度も読み線を引きメモを書き込み繰り返し開いてきた教科書のことです。その教科書にはその学生自身の努力の跡が残っています。

そしてその教科書を手元から離さない学生は強いのです。

試験直前になって新しい参考書を増やす学生もいます。しかし多くの場合それは不安から来る行動です。本当に大切なのはすでに持っている教科書を何度も読み返すことです。

教科書は読むたびに新しい発見があります。最初に読んだ時には理解出来なかった部分が、二回目、三回目になると見えてくることがあります。知識が積み重なってくると、教科書の文章が立体的に見えてくるのです。

その瞬間、学生の中で学びが変わります。

問題を解くときにも、「この内容は教科書のあの部分に書いてあった」と自然に思い出すことが出来るようになります。知識が単なる暗記ではなく、理解として定着しているからです。

この状態になると、国家試験は決して恐ろしい試験ではなくなります。もちろん簡単な試験ではありません。しかし正しく学んできた学生にとっては、自分の力を確認する場になります。

私はこの瞬間を「桜が見える」と表現したいと思います。

まだ国家試験が終わったわけではありません。合格発表も出ていません。しかし、学びがしっかりと積み重なり自分の知識が体系として理解出来たとき学生の心の中にはすでに桜が咲き始めているのです。

その桜は凄まじい努力の結果として必ず現れます。

受験勉強というものは、ときには言葉にならない程に苦しいものです。思うように点数が伸びない時期もありますし周囲と比べて不安になることもあります。しかしそのような時こそ教科書に戻って頂きたいと思います。

教科書は決して裏切りません。そこには長い年月をかけて整理された知識が詰まっています。多くの研究者や臨床家の経験が積み重なり一冊の本としてまとめられているのです。

その教科書を繰り返し読むことで学生は少しずつ成長していきます。そして気が付いたときには、自分の中に確かな知識が積み上がっています。

国家試験に合格する学生は決して特別な才能を持っているわけではありません。多くの場合は基本を大切にしてきた学生です。そしてその基本とはまさに教科書に書かれている内容なのです。

これから歯科医師国家試験を目指す皆さんにはぜひ「良い教科書」を見つけて頂きたいと思います。そしてその教科書を手元から離さないでください。

ページをめくるたびに理解が深まり知識がつながっていく。その積み重ねが、やがて大きな力になります。

春になれば、桜は必ず咲きます。

同じように努力を続けた学生の前には必ず合格という桜が現れます。

良い教科書に出会いそれを信じて学び続けた学生には必ず桜が見えるのです。

弘中塾

弘中 崇

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歯科医師国家試験、歯科国試合格、歯科大学卒業・進級・留年、卒国試過去問、オンライン、CBT、歯科国試直前講習等をテーマに今後もコラム・よくある質問を公開させて頂く予定です。

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政策委員長談話「需給問題が歯科医師の質低下に」/機関紙2017年6月1日号(№567)2面掲載  (https://www.tokyo-sk.com/featured/10655/)

厚労省歯科医師国家試験関連サイト (https://www.mhlw.go.jp/search.html?q=%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E8%A9%A6%E9%A8%93&cx=005876357619168369638%3Aydrbkuj3fss&cof=FORID%3A9&ie=UTF-8&sa=)

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