塾長コラム

その31「第109回歯科医師国家試験合格者数から考える厚生労働省医政局の方針について。」

皆さん、こんにちは、弘中塾の弘中崇です。
早いもので国試発表から2カ月余、塾の新年度からも1カ月半が経過しようとしています。

この間、国試浪人と成った現役6年生、もう一度浪人を続ける覚悟をご家族と確認された方、新5年生、
自主退学・放校処分を受けた為に新たに別の歯科大学に再(編)入学された方、完全に方向転換を考えた方、結婚を考えている方、
全く別の4年生大学へ進学を考えている方、高校3年生で歯科大学受験を考えている方等、近年益々多岐に渡るご相談を頂きました。

こういった状況を踏まえまして今回のコラムは、例年であれば国試発表直後の時期に出しておりますが、
5月連休明けの少し落ち着いたこの頃に出す事としました。

今、色々と分かった事や考えた事を存分に書きましたから、どう見ても推測だろうと思われる個所がありますが、
どうか、その時は笑って聞き流して貰えれば嬉しいです。

以下が今回のテーマです。

Ⅰ合格者数と不適切問題数について。
近年と言いますか、この7~8年は合格者数を減少させる方針が感じ取れますし、将来の1500人上限と打ち出している内容からも
「何があってもその人数にもっていく」との強い意志が伝わります。

通常は、液晶テレビや乗用車等で、台数の2%に不適切があれば「リコール」が起きますし、
センター試験で問題に不備があれば、新聞に掲載される事は皆さんもご存じでしょう。
そうしますと、本国試試験問題数から2%と言いますと、7問が境界線と考えて良いでしょうから、それ以上の場合は「リコール」や回収をするのかと成ると、
それは出来ない相談でしょうから、合格者数を前年度から減少させない事と成るでしょう。
問題内容に不備がありながら合格者数を触る事は、片手落ちと考えても不思議ではありません。その方針が昨年度迄続いていました。

しかし、今回の合格者数を見ますと、その様な状況に成っても、またどの様な不適切問題数に成っても、合格者数削減の方針を変える事はしないと、   非常に強い考えである事は間違い無いです。例え数十名であっても必ず貫くと言う事でしょう。

従って、仮に今回が7問以下だった場合は、マッチング予算から類推して1600人台に突入していたと思います。

しかし塾へ、「一体何時に成ったら1200人にするのか、塾の話は本当なのかと、疑っているご父兄がいらっしゃいますが、
ならば、本当に1200人に成ったら合格しますか?」とお聞きしています。

どの大学もその様に考えていた節があります。

実際に合格者数が1200人と成った時には、国公立550人、私立上位5校450人で残り200人がそれ以外の私立と浪人で勝負する事と同意です。
推測ですが、その頃には受験者数も5500人位に成っている事に成りますが、実質は、定員割れや浪人の受験断念等がある為に3000人前後なので、
合格率は40%と成りますから、まだまだ合格しやすい試験との印象を国民は持ちます。
現状でも歯科医師数が過剰との報道が多く出ているので、益々歯科大学受験者数が減少する方向と成り、定員割れが続く事が予想されます。

受験者数が合格者数以上に減るので、それ程合格率に影響しません。

不適切問題とは、恐らく合格者数に直結していると推測します。

Ⅱ是から将来に渡る合格者数推移について。
Ⅰでも申し上げた様に、そもそも医学部内の一診療科と位置付けると3~4万人が適切と考えて良いでしょうから、
仮に厚労省の予告通りに1200人と成った場合に毎年引退する歯科医師数と差し引きして マイナス800人位でしょう。
ですからこの状態を30年続けると適正人数に到達するのではと思っています。
今、25歳位の若い歯科医師が家庭を持って55歳近辺で落ち着く社会状況でしょう。

Ⅲ2016年度の傾向と対策について。
①何故、毎年易化していくのか?

そもそも、全種類の国試は、学生を対象にしたものなので教科書と授業プリントを丁寧に進めていけば合格するものなので
易化とか難化傾向にあるとか無いとかではなくてそう言う理由なのです。
ですから、教科書を反復通読した受験生にとっては難易を感じず感情も無く解いているだけなのです。
その体制に成った者が合格するのです。合格の境界線はその一点です。

②現役生優先とは。

Ⅲ-①でもお話した様に、国試とは現役生を優先して合格させるので、「資格試験なのにその理由はなんだ」と仰る方が多数いますが、
その人は、受験自体の本質が分かっておりません。
同点だった場合は、出願回数の少ない者から順番が回って来ます。
一年余分に勉強をしてその点数かと成りますから、そう言う意味からも公正で公平でなくてはいけません。
人数設定とは正にその一語なのです。

③合格者数は資格試験なのに人数制なのか?

前項目にもあります様に歯科医師数を削減する事が初めに来ていますので、新たな歯科医師もその対象に含まれますから、
人数制にしなくては、合格した歯科医師その人が、転職や失業、失職といった非常に良く聞く歯科医師の一人に成ってしまいます。
厚労省も是からの将来に存分に働いて貰う人を増やす意味でも共倒れに成ってしまうと危惧しているのでしょうから、この方針を変える事は無いでしょう。

④合格の秘訣は得意科目をゼロにする?

全ての国試は満遍なく、遍く、不偏的に全科目を履修して貰いその確認試験との意味ですから、得意科目自体が作られないし、また必要無い話なのです。
得意科目や得意分野はあくまでも試験を通過してからの事で、厚労省は受験生に求めていません。
科目の仕上がりにバラつきがあれば、総合点では合格でも、領域で不合格にも成りますし、その様な不安定な実力の歯科医師を望んでもいません。
従って国公立学生が難なく国試を通過出来るのは、幼少から試験対策の形が出来ているからです。
国試合格のポイントは、得意科目と不得意科目の両方がゼロなくては成らないのです。

⑤入学から10年以内とは?

ある大学の調査ですが、大学に入学してから浪人年数も加算して10年以内に国試合格と成った者が全体の90%以上と成っています。
確かに10年以上経過して合格する場合もありますが、稀有な例ですし、全体の3%もいないでしょうから参考には成りません。
そうしますと、大学卒業迄に留年すると国試合格は卒業と同時が条件と成って国試浪人が出来るのかと考えてしまうでしょう。
ですから、どの大学も一度でも留年した学生に対しては別に考えて、あくまでも留年無しの現役生を優先して先頭にもっていく考えでしょう。
それが普通ですし当然でもあります。
それ位、留年無しの現役生が強く優先されるのです。

Ⅳ基礎、必修、臨床の対策
近年の国試を精査してみますと、非常に練られた感じと言いますか国試の将来像が見えてきます。

それは、基礎科目や基礎項目が問題数にはっきりとは出ず、臨床問題の選択肢に必ず入っている事です。
そうしますと、臨床問題を落とした場合に、本当に臨床問題が出来なかったのか、基礎科目の選択肢が出来なかったのかが分からなくなります。
恐らく、基礎科目を軽く見る傾向の浪人に対して厚労省が考えた策と考えています。
現役生には、その様な負担に感じる事は無いので特段ありません。

問題の選択肢一つみても現役生に先ずは合格して欲しい、浪人生には現役生と同じ様な勉強をして貰えたら合格出来ますよとのメッセージが出ていると感じます。

以上が、当塾が推測した内容ですが、如何でしたでしょうか?

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