塾長コラム
その29「 第107回歯科医師国家試験結果を踏まえて。」
出願者数(人) | 受験者数(人) | 合格者数 | 合格率(%) | |
新卒 | 2656 | 2241 (出願者数に対して413人減) |
1642 | 73.3 |
既卒 | 988 | 959 (同29人減) |
383 | 39.9 |
全体 | 3644 | 3200 (同444人減) |
2025 | 63.3 |

(総評)
1.例年通り、出願時期迄(11月頃)に第一回目卒業試験を実施する大学が多いが、その前段階で、400人前後を留年させているだろう。
その上で、413人を、新たに留年させている。(推定値)
2.既卒人数が、毎年、1300人位居る模様だが、988人なので、300人前後が、受験断念をしたと、推測出来る。
3.107回からの合格者数削減は、150人~200人前後と、思われたが、400人弱の削減と成った。
4.不適切問題数が、17問と、多かったにも拘わらず、3.を行ってきたので、もし、仮に、それが数問だった場合は、
500人削減は、あっただろう。
そうすると、今年度の合格者数は、1900人前後だったと、推測される。
5.106回から特に、問題文が、如何に、教科書の文章を読み込んでいるかを判断する傾向に成った。
従って、新刊等を含めて、通読以外に、合格の手立ては無くなった。
最後に。
この数年、合格者数は、2400人で固定されていたが、今年度、400人の削減を打ち出した事は、強い驚きと、一年でも早く、厚労省の方針として、合格者数1200人に向かわせたいとの意向が、感じ取れる。
恐らく、将来、不適切問題数が、どの様に成っても、合格者数を削減させるだろうし、今迄、遅々として進めれなかった、この問題に、必ず、決着をつけるだろう。
そうすると、来年度も最低、400人削減と、考えなくてはいけない。
ひょっとしたら、それ以上の削減が、あると、覚悟を決めなくてはいけないだろう。
その場合、上記の表に、どの様な数値が入るのか、今一度、考えて欲しい。
再度、一昨年からの、新聞、週刊誌、NHK等の報道を確認してみると、どれも、話の行き着く先は、歯科医師数過剰では無くて、私立歯科大学に対して、厳しい問いかけをしている事に尽きる。正に、この一語である。
総評2にもある様に、受験断念とは、一体何か?確かに、過去の勉強が不十分であっただろうけれど、果たして、その一言で、片付けて良いものだろうか?
勉強の組み立てから、進め方、時期の計画等、受験生の先頭を走る者としての責任が、益々必要に成ってくるのでは無いか?
兎角、合格者数や合格率にばかり着目しがちであるのは、当事者の気持ちとして、十分頷ける事ではあるが、
そもそも、私立歯科大学とは、一体何か?大変厳しい財政状況の中、この内容で、毎年、国税に支えられている組織は、他に、無い。
私も、私立出身の一人として、日々、厳しく受け止めなくてはいけないと、肝に銘じている。
以上。
弘中塾 塾長 弘中 崇