塾長コラム

・その18「第102回歯科医師国家試験を終えて。」

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各歯科大学生のみなさん、こんにちは、弘中塾の弘中崇です。

 

第102回歯科医師国家試験が2009年2月7、8日に実施されてから、早いもので1ヶ月が経過しました。
その間、自己採点をしたり、母校と連絡を取ったりと、中々休む時間もなく、また、発表迄、落ち着かない日々の連続と思いますが、そんな時に、弘中塾HPを見て頂き、本当に嬉しいです。
そこで、今回の塾長コラムは今年(2009年)1月末、新聞各紙に掲載された記事を基に書きましたので、是非、見て頂ければと思います。

『大学における歯学教育の今後のあり方などを検討する文部科学省の「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」
(座長=江藤一洋・東京医科歯科大名誉教授)は1月30日、歯学教育改善の方策を提言する「第1次報告書」をまとめ、同省側に提出した。

報告書では、歯科医師が過剰な地域がある現状などを踏まえ、学生の臨床実習に必要な患者数の確保が困難な大学や、歯科医師国家試験の合格率が低迷する大学などに対し、入学定員の「見直し」の検討を提言している。

 

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報告書は
(1)歯科医師として必要な臨床能力の確保
(2)優れた歯科医師を養成する体系的な歯学教育の実施
(3)歯科医師の社会的需要を見据えた優れた入学者の確保
(4)未来の歯科医療を拓く研究者の養成
の4項目。

(1)歯科医師として必要な臨床能力の確保では大学側に対し、臨床実習の到達目標を明確にした上で、各科目の成績評価基準の明示を徹底すると同時に、臨床実習終了時の「OSCE(客観的臨床能力試験)」の実施などで、歯科医師として必要な臨床能力を評価するよう求めた。
また、その評価の際、国は全国的な標準評価項目を提示するとともに、国家試験での臨床能力評価についての検討に努めるよう提言した。さらに、診療参加型の臨床実習を行う学生の能力や適性を担保する観点から、国と「共用試験実施評価機構」は各大学の協力の下で、共用試験の統一的な合格基準の設定や、合格者に対する証明書発行を検討する必要があるとした。

(2)優れた歯科医師を養成する体系的な歯学教育の実施では、基礎と臨床、座学と実習が有機的に結び付いた体系的な教育課程の編成を徹底させ、成績評価や進級判定を厳格化することを大学側に求めた。さらに、その実現のため、講座や専門分野の枠を超えた、歯学教育全体にかかわる体系的な教育課程を編成する専門の教員の配置を進めるとともに、教員の意識改革や相互の共通理解などを図るべきだとした。
体系的な教育課程の全学的な実施を促すため、国は歯学教育の「モデル・コア・カリキュラム」を見直す必要があるとした。
また、優れた歯科医師を養成する歯学教育の質を保証するため、第三者評価の仕組みの導入を検討するよう提言した。

(3)歯科医師の社会的需要を見据えた優れた入学者の確保では、「成績が不振な者」に対し、大学側は、きめ細かな履修指導や学習支援を行った上で、歯科医師としての適性などに欠ける学生には、比較的早い時期に進路変更を勧めるなどの適切な指導を行う必要があるとした。さらに、▽入学試験の選抜機能が低下し、優れた入学者の確保が困難▽国家試験の合格率が低迷▽臨床実習に必要な患者数の確保が困難▽留年する学生が多数―などの大学は、「安易な入学者数の確保を優先するのではなく、歯科医師の社会的需要を見据え、学生が将来歯科医師として活躍し得るかなどの将来性を考え、入学定員の見直しを検討する」ことを求めた。

(4)未来の歯科医療を拓く研究者の養成では、歯学系大学院について、基礎や臨床を問わず、「未来の歯科医療を拓く研究者の養成と臨床の発展を目指す研究能力を備えた歯科医師の養成」という目的のため、ビジョンと教育内容を明確化し、組織的で体系的な魅力ある教育を提供すべきだとした。文科省は、近く全国の国公私立大学に報告書の内容を通知し、改善計画の策定などを求めていく方針だ。

【歯学教育モデル・コア・カリキュラム】
卒業までに学生が最低限履修すべき教育内容と到達目標を定め、従来の専門分野別講座の枠にとらわれず、基礎と臨床を統合する形で記載した教育内容の指針。2001年策定。』http://www.cabrain.net/news/(医療・介護 CBニュース) から引用した(文献元からは承諾頂く)。字体(色含む)、改行は私が加工しました。如何でしたでしょうか。本当に厳しい内容です。

僕は、この文面から2点気付いたので、それを書きます。

 

1.厚生労働省はあくまでも、現役生を対象に歯科医師国家試験の現状と将来の方針を打ち出している。
⇒数年前、歯科医師国家試験は、司法試験に準じた制度(5年以内に3回受験等)を踏襲すると明記される様に成ったので、大学側に対して、実技と実習試験は、統一の合格基準を設定して、卒業迄に履修させなさい。従って、今迄以上に毎年、歯科医師国家試験が少しずつ変化させていくので、その変化に対応出来る生徒を入学させなさい。

そうしないと、何年待っても新卒者(歯科医師国家試験の合格発表は新卒者と既卒者に分類されている。)の合格率は上昇しません。と、はっきりと通知しています。加えて、歯科医師数の需給問題にも深く触れています。在学中にしっかり、基礎と臨床科目を縦軸と横軸に
習得して、歯科分野だけでなく、社会全体を見据えれる様な学生を入学させて頑強な歯科医師に成って欲しい。
それが出来るのは、安易な入学ではなく、厳しい入学試験に合格出来た人だけなのだと。

更に、診療報酬の60%以上が実質、国庫=税金から捻出されているのですから、政府と行政が色々な観点から厳格に指摘するのは、自明と思います。そうしませんと、国民=納税者の理解を得られないと考えているのでしょう。
後40年近く、毎年、医療費が増加していく現状では、税収をどの様に確保すれば良いのかは、重大な問題であり、国の根幹でもありますから、将来は、税金の行き先について国民とマスコミの厳しい監視が有る事を考えていく時代が到来するでしょう。

ですから、学生時代に徹底的に勉強と実習に専念して貰い、卒業の関門を突破して、合格率ではなく、合格者数で線引きする歯科医師国家試験に挑んで晴れて、歯科医師に成って欲しいと、言っているのでしょう。

みなさんに注意して貰いたいのは、厚生労働省が発表したこの内容は、学生や国試浪人にはきつく驚く事ですが、歯科に直接関わりが無い人(=一般国民)には、当たり前の事と受け止められるでしょう。それだけ、我々歯科に関わる者は、一般社会とのズレが大きくあり、そろそろ気付かないと、どうにも成らない事態に直面する事が避けられない所迄、来ています。

 

2.歯科医師国家試験の浪人生(以下、国試浪人と言う。)については、数校(7校前後)の大学別歯科医師国家試験   合格率低迷が、国試浪人に起因する処が大なので、是からは、安易な入学をさせてはいけない。
⇒是は、1の現役優先と結びつくのですが、厚生労働省は、国試浪人(一部、昼夜を鑑みず勉強している人は別にして。)
そのものが、歯科医師国家試験の合格率を下げていて、難しいと声高に叫ぶ事で、準備に準備を重ねた歯科医師国家試験を正当に評価されなくなってしまっているし、本当に困惑している。寝食を忘れて勉強している以外の国試浪人をどうにか出来ないものか。大学側も、そういった国試浪人が母校の合格率を下げている最大の原因だと、痛感しています。
全ての国試浪人が今年こそはとの思いで挑んだにも関わらず、不合格に成ってしまった事は、苦しくも残念で成りませんが、どの試験でも一回の失敗は人間誰しもありますが、次で決着を付ける事が、受験生の責任で、責務です。
そこには、如何なる理由もありません。全てに国家試験が優先され合格して下さいと、厚生労働省は結論付けています。

私の推測ですが、大学側にも、国試浪人の在籍中取った成績を追跡して、来年度の大学入学試験合格判定基準に参考としてはどうかと、話しているのではないでしょうか。数校ですが、中には大学自身が既に実行している所もあると、聞きます。歯科医師国家試験が合格率ではなく、合格者数を判定基準にした時から、入学試験、卒業試験の判定が厳しくなり、生まれ変わりました。卒業してしまった国試浪人には学内の話等、知る術もないでしょうが、是だけインターネットが広く普及して新聞もネットで見れる時代なのですから、知らなかった。聞いていないは、最早通用ません。どうか、歯科医師国家試験の実情を受け入れて下さい。

発表前にお話する事ではないかもしれませんが、この3月が一番良い時期と思います。
国試浪人の人は、今年度の結果が出てから考える、ではなく、今考えて下さい。

 

最後に、私、塾長の弘中崇から現役4、5、6年生の方にお伝えしたい事があります。

 

大学で毎日、歯科医師国家試験について話を聞いていると思いますが、何が有っても、留年はしないで下さい。
卒業と歯科医師国家試験の合格をセットと出来る様に、今から勉強の計画を立てて下さい。
僕は、毎年本当に辛く悲惨な生徒さんとお会いしています。何時も、何故、こうなる前に電話だけでもとの思いがあり、残念で成りません。一人で考えて分からない時は、何時でもお電話下さい。

お待ちしています。

大変長くなりましたが、僕の持論は、卒業と国試合格の二つがセットです。今日から始めて下さい。
必ず、結果が面白い程に出ます。断言します。

受験生のみなさん、ご父兄、大学関係者の方々、歯科医師の先生方、ご意見やご感想を、是非ともお寄せ下さい。
メール(toiawase@h-kobetsu.com)、お手紙、FAX、何れでも結構です。僕は必ずご返信致します。
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