塾長コラム

今から始めて6年生に間に合わせよう ― 5年生の皆さんへ今秋から始める「基礎」「臨床」の作り方 ―|塾長コラム129 公開させて頂きました。

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各歯科大学生と既卒生のみなさん、こんにちは、弘中塾の弘中 崇です。

本日は

 

今から始めて6年生に間に合わせよう

― 5年生の皆さんへ今秋から始める「基礎」「臨床」の作り方 ―

|塾長コラム128 公開させて頂きました。

最後迄宜しくお願い致します。

 

5年生の皆さんへ

今年も秋を迎えました。この時期になると僕は5年生の学生からよく同じ言葉を聞きます。

「歯科医師国家試験の勉強は6年生になってからで大丈夫ですよね」

「まだ5年生なので今は大学の授業を優先すればいいですよね」

「6年生になったら本格的に始めれば間に合いますよね」

僕はこの質問に対して6年生になってからでは決定的に遅いですとはっきりお伝えしたいと思います。もちろん5年生の秋から歯科医師国家試験の全範囲を完成させる必要はありません。今から歯科国試の問題を何年分も解き続けなさいという意味でもありません。

しかし6年生になった時に基礎と臨床の知識がある程度つながっている状態を作っておかなければその後の学内試験や卒業(学士)試験にそして歯科医師国家試験までを乗り切ることが非常に難しくなります。なぜなら現在の歯学部では6年生になった瞬間から時間が急速に無くなっていくからです。多くの歯科大学では6年生の春から学内試験が始まります。

つまり6年生になってから勉強を始めるという考え方そのものを是非一度見直す必要があります。

5年生の秋はまだ間に合います。だからこそ今から始めてほしいのです。



6年生になってから「勉強を始める」ことはもうできない

5年生の皆さんへまず6年生の一年間を想像してほしいと思います。6年生になれば大学授業があります。学内試験があります。卒業(学士)試験があります。臨床実習との調整もあります。大学によっては試験のための講義や補講なども入ってきます。そしてその先には国家試験があります。

つまり、6年生になると自分で自由に歯科医師国家試験の勉強をする時間が思っているほどありません。ところが5年生の秋にはまだその時間があります。だからこそ今なのです。5年生の秋から始めるというのは6年生の勉強を前倒しすることではありません。6年生になった時に本当に必要な勉強に集中できるようにしておくことです
そのために今から「基礎」と「臨床」を分けて考えてみましょう。



第一部 基礎

5年生の今秋から「知識の土台」を作る

基礎というと「解剖」「生理」「生化学」「病理」「薬理」などを思い浮かべるでしょう。しかしここで大切なのは単純に科目を暗記することではありません。5年生の段階で作ってほしいのは「後から臨床を理解するための基礎」です。

例えば、薬理を勉強するとします。薬剤名を覚える。作用を覚える。副作用を覚える。もちろん必要です。しかし「なぜその薬が効くのか」「なぜその副作用が出るのか」まで理解している学生は6年生になってから強くなります。同じことが病理にも言えます。病名を覚える。症状を覚える。それだけではなく「なぜその病変が起こるのか」「組織では何が起こっているのか」を理解する。

そうすると臨床問題を解く時に知識がはっきりとつながってきます。



基礎は「点」で覚えてはいけない

5年生の秋に最も避けてほしいのが一問一答型の暗記だけで基礎を終わらせてしまうです。例えば「このホルモンは何ですか」「この神経は何ですか」「この薬剤の副作用は何ですか」と聞かれて答えられる。それは良いことですがCBT範囲です。しかし歯科医師国家試験ではそれだけでは終わりません。「この患者にこの薬剤を投与したところこういう症状が出た。考えられる理由は何か」という形で複数の知識を組み合わせて考えさせられます。

だから5年生のうちに「覚えた知識を説明する」という習慣をつけてください。例えば「なぜそうなるのですか?」と聞かれた時に二~三文で説明できるようにする。

これだけでも6年生になってからの伸び方が大きく変わります。



基礎で「捨ててはいけないもの」

もう一つ大切なのは5年生の段階で「これは歯科国試に出なさそうだから」と簡単に切り捨てないことです。もちろん全てを同じ深さで勉強する必要はありません。しかし基礎知識の中には後から臨床につながるものがたくさんあります。今は重要性が分からなくても6年生になって臨床問題を解いた時に「あの時勉強したことがここにつながっている」という瞬間が必ず出てきます。

だから基礎を「過去の科目」と考えないことです。
基礎はこれから始まる臨床を支える土台です。



第二部 臨床

5年生の今秋から「考えて解く」準備をする

次に臨床です。

ここは5年生の皆さんに特に意識してほしいところです。臨床は「病名を覚える」「治療法を覚える」だけではありません。患者さんが来る。症状がある。診査をする。検査結果が出る。診断する。治療方針を決める。そして治療する。この流れを頭の中に作ることが必要です。

例えば歯周病を勉強するとします。「歯周ポケット」「BOP」「アタッチメントロス」「骨吸収」などを覚えるだけではなく「この患者さんを診たら何を見てどう判断し次に何をするのか」まで考えてください。

これが臨床です。



臨床問題は「知識の複合組み合わせ」

歯科医師国家試験の臨床問題で苦労する学生にはある共通点があります。知識がないわけではありません。むしろ単純な知識問題なら正解できる。ところが患者情報が長くなると分からなくなる。検査結果が複数出てくるとどうしても迷う。画像が出てくると判断できない。

なぜでしょうか。それは知識が一つずつ独立しているからです。5年生の秋からこの状態を変えていきましょう。病名を覚えたら「原因は何か」「症状は何か」「診断には何を見るか」「鑑別は何か」「治療は何か」「治療後は何を見るか」とつなげてください。

一つの病気を一つの知識ではなく一つの「ストーリー」として理解するのです。



5年生の今秋にやるべきこと

では具体的に何をすればいいのでしょうか。僕は5年生の秋からは次の四つをぜひ意識してほしいと思います。

① 大学授業を「その日のうちに整理してしまう」

大学授業を受けたらその日のうちに一度整理する。完璧なノートを作る必要はありません。重要事項を確認し「今日何を理解したのか」

を明確にしてください。

② いつも教科書を使う

分からないところがあれば教科書に戻る。講義資料だけで完結させない。教科書の文章を読む習慣を作ってください。

③ 問題を解く

ただし最初から大量に解く必要はありません。

授業で学んだ範囲について問題を解き「知識が問題になるとどう聞かれるのか」を確認してください。

④ 説明する

これが非常に重要です。人に説明できるか。自分の言葉で説明できるか。説明できなければまだ理解が浅いということです。



そして6年生の来春を迎える

5年生の今秋からこの勉強を続けたとします。

すると6年生になった時に「何も分からない状態」ではなくなります。これが非常に大きい。6年生の春から大学の試験が始まった時に「この範囲は一度やったことがある」という状態を作れるからです。もちろん忘れている部分もあります。しかし一度理解したものを復習するのと、初めて理解するのでは、必要な時間が全く違います。

ここが5年生から始める学生と6年生になってから始める学生間の差になります。



「6年生になったら頑張る」-実は危険な言葉-

「6年生になったら本気を出します」この言葉を僕は何度も聞いてきました。本人は本当にそう思っています。決して嘘ではありません。しかし6年生になると「大学の各試験がある」「次の試験も勿論ある」「卒業(学士)試験がある」「全国模試がある」と次から次へと課題がやってきます。そして気がつくと「歯科医師国家試験の勉強が十分にできていない」という状態になります。

だから6年生になってから頑張るのではなく、5年生の秋から6年生を迎える準備をする。
これが正しい考え方です。



5年生の今ならまだ「余裕」を必ず大きく作れる

今から始める最大のメリットは点数だけではありません。余裕を作れることです。6年生になってから初めて勉強を始めると常に追われます。分からない。時間がない。次の試験が来る。さらに焦る。そしてまた新しい教材に手を出す。この繰り返しになりやすい。

一方で5年生の今秋から少しずつ積み上げていれば6年生になった時に「分からないところを潰す時間」を作れます。

この差が実は非常に大きいです。



5年生の皆さんへ

僕は5年生の皆さんに「今から歯科国試のために毎日何時間も勉強してください」と言っている訳ではありませんし思ってもいません。大学生活も大切です。臨床実習も大切です。友人との時間も大切です。ただ歯科医師国家試験という最後の試験を6年生になってから突然意識する事だけはやめてほしいと思っています。

5年生の今秋。この時期はまだ修正できます。まだ時間があります。まだ「分からない」を一つずつ潰すことができます。

そして何より6年生になった時に自分を助ける準備ができます。


基礎と臨床を太い一本につなげていく

最後に基礎と臨床を別々に考えないでください。例えば基礎で薬理を勉強する。臨床で薬剤を使う。基礎で病理を勉強する。臨床で疾患を診断する。基礎で解剖を勉強する。臨床で外科処置を考える。こうして基礎 → 病態 → 診断 → 治療という一本の太い線を作ってください。

この線ができると勉強が急に面白くなる学生もいます。

そしてこの線こそが歯科医師国家試験で必要になる合格力です。



最後に

5年生の皆さん。今秋から始めてください。まだ間に合います。しかし「まだ間に合う」という言葉を、「まだ始めなくても大丈夫」という意味にしないでください。今なら間に合う。だから今始める。この二つは全く違います。

6年生になった時に大学の試験が始まります。その時に「もっと5年生の時にやっておけばよかった」と思う学生を僕はたくさん見てきました。逆に「5年生の時にやっておいて良かった」という学生もいます。その差は特別な才能ではありません。

5年生の秋に「自分は6年生になる準備を始めよう」と決めたかどうかです。基礎を整理する。教科書を読む。問題を解く。分からないところに戻る。自分の言葉で説明する。そして臨床では「この患者さんだったら、自分はどう考えるか」を意識する。

これを少しずつ続けてください。一日で完成する必要はありません。一週間で完成する必要もありません。しかし今日始めた学生と来年4月まで待った学生では6年生になった時に大きな差がついています。5年生の今秋は歯科医師国家試験の直前ではありません。だからこそ最も大切な準備期間なのです。

6年生になってから慌てないために5年生の今秋から始める。
基礎を作る。臨床につなげる。そして6年生になった時に「ここから始める」のではなく「ここから仕上げる」という状態に持っていく。これが私が5年生の皆さんにお願いしたいことです。今なら充分まだ間に合います。だからこそ「今から始めて6年生に間に合わせましょう。」皆さんが6年生になった時に少しでも余裕を持って大学の学内試験と歯科医師国家試験に向き合えるように。

その準備を始めるのは今日からです
弘中塾 塾長 弘中 崇
 

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歯科医師国家試験、歯科国試合格、歯科大学卒業・進級・留年、卒国試過去問、オンライン、CBT、歯科国試直前講習等をテーマに今後もコラム・よくある質問を公開させて頂く予定です。

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