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「第108回歯科医師国家試験結果から判断出来る事と今年度の方針について。」

その30 2015/04/30 作成(加筆しました。)



みなさん、こんにちは、弘中塾の弘中崇です。
早いもので、108回歯科医師国家試験(以下、国試と言う。)発表から6週間が経過しました。

この間には色々な事が塾でもありましたが、それらの全てを以下に分類して其々について詳細を述べ(今回は再入学者とその希望する方へも書きました)ますので、
参考にして頂ければと考えております。


1.現役生について。

1)6年生へ。

この数年は、どの大学も卒業試験日程が毎年の様に変更されて概ね早まっているのが実情です。
それは、国試合格者数が、厚労省の様々な資料から類推と賢察が出来る為に、早い段階で相当確固とした成績を確立しませんと
留年だけでは無くて自主退学処分に繋がるケースに成ってしまうと考えているからです。

例えば、A大学は全学年で併せて毎年自主退学処分人数が20名と成っているので、全私立歯科大学では100名越えと推測できますから、
入学時の全私立人数が6年進級時には最低でも600名減と成ってしまうので大学の運営そのものが危機的な状況に直面しています。
また、B大学は、6年生の5月中旬に成績下位5〜10名に対して保護者に休学を非常に強く促し塾や予備校で力を付けて復学して欲しいと言ってます。
C大学(複数校)は、7月の時点で成績を確認して留年を決定しています。

何れも、保護者からは本当の話ですかと、お尋ねに成るケースばかりですが、一部の状況をこのコラムに書いたに過ぎません。

一方、どの大学も留年組と留年無しのグループで卒業時の国試合否を判別しているでしょうから、
それぞれの合格率は各大学で違いますが、留年組の合格率はどこも10%以下の筈です。

ですから、自分自身が6年生に進級する迄に留年をしているならば、
本当に覚悟を決めて卒業時の国試合格を目指さないと国試浪人は既定路線と成って更に2年を要するでしょう。

更に、その頃の国試合格者数を冷静に判断すると、家庭の中で受験そのものを断念して他の道に進む話に成り、新たな出発を迎えなくてはいけなく成ります。

D大学卒業生の半数が、国試受験を断念して就職しています。恐らく、卒業名簿は、住所と職業欄が空白の筈でしょう。
しかも、D大学卒業判定基準は、他大学に比べて相当優しいにも関わらず、この状況なので国試合格迄の道程は厳しい内容だと思います。
仮に卒業判定を厳しくすれば留年を複数回するので自主退学処分と成る学生が多数出るでしょうから、判定基準を何処にもっていけば適切なのか、
大学も息が詰まる程の苦しさがあると推測します。

しかし、国試は、他の国家試験と同様に現役生優先で合格の順番が来るので、受験生にとっては、どうあっても卒業時の合格が責任であり命題でもあります。

6年生の皆さんは、決して忘れないで欲しいです。

2)5年生へ。

5年生に進級した今頃は、CBTを通過して一息しているでしょうが、もう一度、大学のCBT通過点数が何点だったのかを確認して、
70点以下だった場合は、6年生に進級する迄に可也の実力を付けていなくては話に成りません。
と言うのは、E大学のCBT通過点は70点ですが、70〜71点で進級出来た学生は、120人中110番台だったので、
66点で進級出来た場合は、E大学では留年しています。
あなたがその実力で6年生に進級出来たとしても、E大学では卒業が出来ないでしょうし、複数回の6年生原級と成って自主退学処分の話が出るでしょう。

厚労省は、推測ですが近年中に全大学で75点に切り上げたCBT通過点を突破出来た実力で登院実習を終えて二次試験との位置付けである
国試を合格して欲しいと考えています。
卒業時の国試合格を目指すには、5年生の進級時に休まず卒業試験(以下、卒試と言う)対策に入って、
6年生の早い段階で実施される第一回目卒試で好成績を獲得して下さい。

どの大学も第一回目卒試で点数が見込めなかった学生は、100%留年していますので、この一点だけ注意して欲しいです。


3)4年生へ。

4年生に進級した今は、来年の冬にCBTがありますから、その対策を進めているでしょう。その場合に2点注意して欲しい事があります。

@ 大学のCBT通過点が70点なのか、それ以下なのかを確認する。
   もし70点以下の場合は、その通過点を無視して75点近辺を目標に勉強を進めなくていけません。
   恐らく、過半数の大学で70点としているので6年生の春には実力の開きが出てしまいます。
   そうすると、留年か国試浪人に成る事は先に述べたので割愛しますが、僕が一番心配しているのは、
   進路変更をしなくてはどうにも進まない人生と成っていく事なのです。
   入口は歯科大学で、出口が、飲食店の従業員、タクシー運転手、中古車センターに就職等は、全く話が違っていて
   家族の苦しさや壮絶な状況の結末は是非、避けて通って欲しいです。
   そう言う意味でも、CBT通過で四苦八苦するのでは無く、難無く乗り越えて欲しいです。
   それは、6年生進級時の実力を見極める事に直結しているからです。

A 僕は、どの学生もが所持しているCBT対策本や参考書を隈なく進めている事は承知していますが、
   それらを使用するのは仕上がりつつある秋頃からが一番良い時期で、それが更なる点数上乗せに繋がるでしょう。
   しかし、その時期迄は、教科書を離さずに辞典代わりに使用しなくてはいけません。
   20教科以上ある試験科目に対しては、先ずは、教科毎を立ち上げてそれぞれを確認しながら、科目間の繋がりを進めていけば
   6年生には最後の仕上がりを迎えられます。
   従って、教科書や参考書の使用する時期は絶対に間違わない様にして欲しいのです。もし間違うと、もう一度やり直す事に成るからです。

4)2年生へ。

どの大学も近年(特にこの5年前位から。)非常に進級が厳しく成りました。

実は、数年前の秋、ある大学教授から、「本学の国試合格率を上げる方法を教えて欲しい」と言われ、「僕が大学の経営者なら2年生から3年生に進級する段階で、学生の学力を徹底的に精査して通過の判断を下します。その理由は、2年生での下地がどれだけしっかりと出来ているか否かが、6年生での実力と国試合格に直結すると考えているからです。2年生での不確実な土台は、その後、一旦地下に潜伏しますが、6年生か早ければ4年生でのCBTで欠陥が噴出してどうにも取り返しの付かない状況に成るのは明らかで、そう成らない為にも、2年生での吟味を躊躇わず行う事が、本人の将来を決定させる指標にも成ると考えられます。」とお話をしました処、早速、翌年明けに定期試験以外に進級判定として、総合試験を実施させ、大きな転換を迎えました。
その年度が、国試受験に少なからず貢献をして依然と違った結果が出ました。その後、他大学でも追随した様で、現在は2年生での進級が大きな関門にも成っています。
従って、誰が言い出した方法かは問題では無くて、どうしても2年生でのふるい分けをしているのが現状です。
2年生に進級した方も、留年した方もどうか、今の大学が2年生に対してどの様な方針を持っているのかを確実に見極めて欲しいと願っています。

2.浪人生について。

1)1浪の方へ。

108回の不合格では、2点確認をして欲しい事があります。

@ 国試成績内容では無くて、母校の卒業時順位です。

  あなたの卒業校が、北海道医療大学、岩手医科大学、奥羽大学、日本歯科大学新潟校、日大松戸、明海大学、鶴見大学、神奈川歯科大学、
  松本歯科大学、朝日大学、大阪歯科大学の11校であった場合、上位30番以内(6年生進級時の人数に対して)卒業なら、一浪で合格する可能性が非常に高いですが、そうで無かった場合は、
  2浪を前提にした方が合格に近づけます。

  多分、1浪の時点で、予備校や母校の聴講生を選択されたと思いますが、授業の印象はどうでしたか?
  その日に復習が出来ましたか?秋頃に実施される全国模試の結果が1,000人以内に成りましたか?

ひょっとすると、2,200番とか2,500番位でしたか?そうすると、国公立現役の650人位は模試を受験していないと仮定すると、
その650人が自分の上位に来るので、2,200+650=2,850番目と成るので、上位2,000人の合格と言う事は、
最低でも、1,350番目より上位に居なくては勝負に成りません。
従って、いわゆる11校卒の場合は、上位30番以内がこの順位に該当するので、一浪で合格に成ります。
スレスレの卒業では、卒業だけでも出来た事を良かったと受け止めて、そこから2浪を覚悟しなくていけません。

そう考えてみると、非常に理に適ったと言いますか、納得のいくお話です。

A もし、一浪で決着を本当に付ける意志があるなら、2浪の期間内で進める分量と内容を一浪の期間で圧縮して進める事と同意ですから、
  本当に苦しい日々の連続です。
  例えば、11月頃の模試成績で1000番以内を目標にする為には、7月末迄に写真無し迄を習得して、10月末迄に一回目の全教科終了が目標に成りますが、
  「極めて苛酷」の一語です。

  初めからそれが出来るなら、その順位で卒業する事は無かったので、お話に矛盾が出て来ますが、本人の気持ちと家庭の事情で是以上の浪人が困難となれば
  進める以外に道は在りません。

  また、留年している場合も、点数で留年無しよりも加点しなくてはいけません。
  この国試は、人数で線引きをするので、同点だった場合は、留年無しから合格の順番が来ると考えて貰って構いません。
  受験生を分類した時に、現役生と浪人生のそれぞれで留年無しと在りに出来るので、全体では4つに分ける事が出来ます。
  そのどれに属するのかを自分で判断して、先ずはどの様に進めていく事が義務付けられるのかを見極めてから受験対策に入って下さい。
  ご家族の了承も含めて今年度が最終と成るでしょうから、慎重に進めて下さい。

2)2浪の方へ。

今迄の2浪と違い、現役時の国試結果はお話に成らなかったとしても、107回と108回の二回を受験して不合格と成ったので、
2,000人で固定された国試(厳密には人数削減の方針を一貫させている)でこの結果は、非常に厳しい現実と成ります。
それは、一年間の実力が上乗せされていないと判断出来るからです。


従って、ご家族の理解は得られないでしょうから、どの様にすれば、もう一年進められるのかと説得する事から始めなくてはいけませんが、
そう出来ないケースが非常に多いです。
経済的な側面もありますが、そもそももう合格出来ないのではとのお話が出てくる場合があるので是以上、双方が切り出せない切迫して張りつめた状況が続きます。
答えを出す事が出来ないまま経過していき、受験断念の方向で落ち着いています。
従って、108回不合格は、家を出て独り立ちするかの分岐点と言って良いです。

3)3浪以上へ。

一言で申し上げるなら、決してご家族内だけで結論を出さずに、どうか母校でも良いですし、当塾の面談でも良いですので、
一度、第三者を入れてお話をされる事を強く望んでいます。

昼夜を問わず、厳しい議論や昔の話が蒸し返されたりして、家族全員が消耗されていき、最後は、双方で罵倒が始まります。
こうなってはもう、家族の形が破壊されてしまい、二度と元に戻る事は有りません。

こうなる前に、最後の線を越える前に、打開策を見出す事が必要です。どうか、その様な状況に成った方は、お電話でも結構ですので、ご連絡を下さい。


3.再入学者、またその希望について。

この数年、入学した大学を自主退学して他大学へ編入や再入学をしている人が多いと聞きます。
この様な流れが出来たのも、進級や卒業が厳しく判定を越える事が出来ない現実が有ります。
しかし、文科省は、その判定が優しいと言われている大学への流入は、学業の観点から考えると変則で馴染みにくいでしょうし、
判定の優しい大学へ学生が途中から押し寄せる事は決して良い事では無いと考えている筈です。
確かに、どうしても編入希望と成るケースがあるでしょうが、稀有で主流ではありません。
特別なケースを本筋に持っていき論ずる事は、詭弁でもありますので、再入学は慎重に考える必要があります。

4.保護者の方へ。

もしご実家が歯科医院であるなら、ご主人やその奥様時代とは全く様変わりをしてしまい、正に生まれ変わったと申し上げても宜しいです。
以前は、60点以上で合格と成っていたと巷間聞いておりますが、現在は、上位2,000人のみが合格で、将来は1,500人を上限とすると、公表しております。
恐らく、近い将来は1,000人があるでしょう。しかし、驚く事では無くて、人口減少と併せてみると、1,000人でも過多と考えて丁度良い感じです。
どの資格が良い等との考えでは無く、また、授業料を払ったので、もったいないと仰る方も多いですが、
受験を断念して就職をしてから少しずつ返金すると答えた受験生を前にして、そのお母様は返事が出来ませんでした。
国試合格とは、決してお金の話では無くて、保護者の方は、現在の国試を何処まで御存知なのか?
また、受験生は、合格迄して白衣を着る事が自身の責任と考えているのか?
双方がそれぞれこの点をしっかり押さえているか否かが、厳しく問われています。

5.終わりに。

塾設立から早いもので10年近くが過ぎて来ました。
当時、色々な方とお会いして、国試合格者数は人数制に成るので、私立の過半数が背水の陣に迫られると言いました処、失笑の山だった事を思い出します。
今の時代は、国試合格率を向上させれば入学者数が回復する訳でも無いのですが、この事に気付いている大学は数校に限定されています。
国民は、静かに無言で歯科医師と私立歯科大学を見て来ましたし、もう答えを出したでしょう。入学者数も増えないですし、歯科医療費も上がる事は無いでしょう。

振り返れば、私共は一貫して動揺せず現在を受け止めております。
私立歯科大学は決して後ろを歩いて来た訳では無いでしょうが、20年前の米国内で起きた私立歯科大学と同じ道を辿るのでしょう。
弘中塾の様な10歳にも満たない組織が今を予測出来たのですから、厚労省はとうにお見通しと言っても良いです。
血のにじむ様な努力をしなかったらどの様な結末を迎えるのか、楽しみが尽きません。

ある程度の勉強が出来ないと必ず悲劇が起きる。


正に「寒到来」と言って良いです。

匿名でも結構ですので、メール、お手紙等、お待ちしております。
  toiawase@h-kobetsu.com (件名 塾長コラムについて)

僕は、Face bookもしています。探して見て下さい。

返信が遅れる事がありますが、必ずしますので、そちらもどうぞ。


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