その19(‘10/02/17 作成)

第103回歯科医師国家試験を終えて思う事

皆さん、こんにちは。弘中塾塾長の弘中崇です。本日は、この塾長コラムをご覧頂き、本当に有難う御座います。

今回は、2010年2月6,7日に実施されました、第103回歯科医師国家試験の総評と来年度の事を、
塾として纏めました。

今回の受験生を始め、来年度の6年生、5年生、そして4年生の皆さんにも是非、お伝え出来ればと思っております。

 まず、今回の同国家試験は決定的な特徴が2点あります。

 1. 試験問題本文そのものは例年通り、少しずつ易しく成ってきていますが、
    設問形式が『一つ選べ』、『二つ選べ』、『全て選べ』等に変わり、全ての選択肢に対して正誤が出来なくては
    成らない為に、例年にも増して難化した印象を持った受験生が多数いるだろう。

 2. 国家試験過去問集のみで勉強を進めた人は、相当厳しい結果に成るだろう。 

以上の2点です。

 1についてですが、昨年、当塾が発刊しました勉強法の本とDVDにも詳細を述べています様に、問題文そのものを難化させる事は、実は本当に難しく、坂道に例えると、確かに、坂道の角度を上げると登る事が困難に成りますし、角度を上げずに、道そのものをうねらせても(=少し突飛な問題になり本線から乖離してしまう)難しく感じます。

しかし、難化の角度を上げるよりも、この国家試験は、歯科医師に成る人の為に作られた関門なのですから、
坂道の角度を変えないか、少しずつでは有りますが、角度を下げ、坂道の距離を伸ばして(=問題数増加=将来は450問)、途中に小さな障害物を数か所置く事(=禁忌肢、数値記入等新しい形式の導入)の方が、受験生自身の実力を正確に判断出来るものに成るだろうと、考えている様に思われます。

僕は先日、或有名女子中学校の入試問題集を見たのですが、その学校は、数年前から、試験時間と問題レベルを変えずに問題数だけを増やしました。

この方針は、受験生の実力を判断するのに、最適な方法の一つです。

問題文を見て、直ぐに解答が導き出せる様でなくては、時間切れに成ります。

歯科医師国家試験もこのスタイルと同様と考えなくては成りません。

と云う事は、試験を実施する側(=厚生労働省)は、受験生の実力を的確に判断する為に、教科書から離れないで今日を迎えたかどうかを、厳しく問いているとしか、僕には思えません。

 

塾設立時から何度もお話している様に、問題文を見て、パッと正解が出なくては、
この国家試験は完全に時間切れです。

塾生は、試験当日、選択肢を見なくても正解が出て、結果、それを選ぶだけに成っていますが、一問40秒が持ち時間で有る事を踏まえると、決して大げさな話では無い事が皆さんにも分かって頂けると思います。

試験当日、貴方が塾生であるか否かは別問題であり、この国家試験を受験する人は絶対に、40秒以内に正解がパッと出なくては、発表を待たなくても答えが出てしまうのです。

そういう考えの基に、勉強が最低10カ月間、出来ていたかの答えが出る試験なのです。

突き詰めると、確かに、この試験は、歯科医師になる為の試験ではありますが、この10カ月間の来し方が
はっきりと現れる試験でもあるのだと、申し上げても良いでしょう。

裏返せば、裏技やテクニックに没頭する人は、本当に、この国家試験そのものを知らない人なのだとも
断言出来ます。

誰でも知らないで過ごせるなら、それが一番ですが、貴方がもし、受験生であるなら、
歯科医師国家試験を知って下さい。

貴方の対戦相手を研究して下さい。それは、過去を知る事はとても大切ですが、しかし、過去問ばかりを
勉強したり、試験直前に逆転を狙う様な、場当たり的な考えでは無くてです。

 以前、僕は、あるプロ野球の監督とゆっくり二人きりで食事をしながらお話を伺った事がありました。

その方は、はっきりと仰いました。

負けばかりのチームは、
@チーム自体が対戦相手を知らなさ過ぎる。
A選手の正確なデータが監督の手元に全く上がってこない。だから、選手も成長しない。
Bどの選手にも決定的な基礎技術が欠落している。

 皆さん、このお話は、その儘、歯科医師国家試験に通じると、思いませんか?

受験生の皆さんに、@の対戦相手を知って貰う事は、既にお話しました。Aは、塾や保護者の方が、受験生を
的確に精査出来れば、受験生そのものを成長させれますし、合格に導ける様にも成るはずです。
Bは、直ぐに臨床科目をするのでは無くて、野球選手のキャンプと同様に、基礎技術=基礎科目を仕上げてから、模擬試験、卒業試験や、来年の国家試験に挑める体力をつける事こそが、何より肝心要であるはずです。

 歯科医師国家試験にだけ特別な話等、使用する教科書以外に何もありません。
考え方、進め方は全く同じなのです。

点数が上がらない。卒業が中々出来ない。何度も国家試験に落ちる。等は、ちょっとした所だけ修正と追加を
すれば、必ず上手くいきます。試験とはそういうものなのです。

この数年、歯科大学入学志願者総数が激しく減少しています。
特に3年前(=12000人)から、昨年は6000人を割り込みました。

歯科大学進学を希望する受験生の保護者は、歯科医師国家試験の合格が堅い大学に入学させたいのが
本音ですから、おのずと、志願者数減の問題に直面する大学が出てくるのは自明です。

従って、その大学は、必ず国家試験合格に比重を置いて考えるので、この生徒なら国家試験合格は間違いない
だろうと判断出来る場合にのみ卒業させたり、その為に卒業判定が大幅に変更と成ったり、基準点上昇が起きて、結果、留年生の大幅な増加、退学者、放校処分等、今迄に見られない事が沢山の大学であります。

殆どの方は、歯科医師国家試験の合格率が下がったと仰いますが、率に着目していては、
試験の本質を見落としてしまいます。

過去のコラムでも何度も申し上げましたが、合格者数を見て欲しいのです。厚生労働省は、人口減少問題を
入口にして、適正な歯科医師数を1200人と算出しました。

もう、数年前のお話です。これは、結論であり、変更はありません。

ですから、この事を念頭に、毎年合格者数を減少させる試験だと、考えて下さい。重ねてお願いします。

 次に 「2.国家試験過去問集のみで勉強を進めた人は、相当厳しい結果に成るだろう。」ですが、
過去問集を解く事は、確かに大切な事です。しかし、皆さんは、解いていると感じると思うのですが、答えを覚えてしまっていませんか?

ですから、問題文を読んだ時に、飽きてきたり、気持ちがしぼんだりしませんか?

僕は、何時もお話しているのですが、過去問集と教科書をセットにして勉強しなくては、
絶対に国家試験は合格出来ません。

これは、ここで、皆さんにはっきり申し上げておきます。

過去問の選択肢周辺事項が翌年の国家試験に出題されます。この方針は是からも不変でしょう。

過去問集のみを進めている場合は、少し、選択肢を変えられると全く対応出来ないので、
最後の2肢で間違っていませんか?

その様な場合は、勉強の方針が間違っています。ある意味、勉強は初手で決まると言っても良いのです。

その初手には2点注意があります。T初めにする科目 U始める時期 です。

如何ですか?この2点さえ守れば、国家試験は怖くはありません。面白い程に点数が伸びます。

順調にいけば、85点位は可能でしょうか?

厳しい事を言いますが、国試浪人の人は、この2点を余りにも軽率に考え過ぎています。

裏技や、出る所を教えて欲しい等の考えは、国家試験には全く通用しません。

根底に、勉強を軽く考えている思いがあるからです。試験に合格しなかったら自分はどうなるのかと、
振り返る前に、自分が直面する問題に対してのぶつかり方が形に成っていません。

毎日、食事が恙無く出来る事と、勉強に没頭出来る環境に有る事が当然だと、考えてはいませんか?

家族を侮辱している事、そのものです。これ以外にありません。

侮辱するなら、受験を断念して、家を出るべきです。就職して、今迄の授業料や生活費を家族に返還する事が
最低限の義務だと思います。

塾生の中には、何度も留年をしたり、国試多浪が沢山いますが、皆さん、血尿が出る位、勉強してます。
結果、卒業と合格です。

 卒業や合格を修めるにはこれが必要なのです。誰もが通る道であり、これこそが本線なのです。

路肩走行は何があっても認められません。もう、そんな安物の考えは、このコラムを見終わったら
捨ててしまって下さい。

そして、今日、国家試験を知って下さい。その日から、貴方は変わります。
その貴方を後ろから僕が全力を込めて合格迄押していきます。

大学の卒業や国家試験合格は、難しくありません。

大丈夫です。

 
御質問等がありましたら、何時でも御連絡下さい。

お待ちております。

 


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